作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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【佐藤優】 IS・イスラム国のフィリピンへの勢力拡大を語る【あさラジ!】

投稿日:2017年7月3日 更新日:

2017年6月29日放送のニッポン放送ラジオ『高嶋ひでたけのあさラジ!』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏がフィリピンでISの拡大を語った。

(高嶋ひでたけ)新聞には目を通してるつもりですけど、いつの間にみたいなね…これが実感なんですが。
(佐藤優)はい。

フィリピンでISが勢力を拡大中

(高嶋ひでたけ)フィリピンがおかしなことになってて、戒厳令を敷いた。あれが一ヶ月前でしたかね。
(佐藤優)そうです
今、イスラム国系の過激派と政府軍との戦闘が起きていますからね。
(高嶋ひでたけ)知らない間にドゥテルテ氏対ISなんて言って。
(佐藤優)そう
(高嶋ひでたけ)そんなことになってるんですか。ミンダナオ島・セブ島で長期化。
(佐藤優)それでね、私もこのニュースが出始めて、6月24日の朝日新聞の特集記事があってね、びっくりしたのですよ。

ドゥテルテ大統領はIS進出を危惧していた

どうしたかというとね、ドゥテルテがこんなこと言っているんです。

  • 去年の11月14日 「中東にいたテロリストたちがさまよいはじめ、家に戻ってきたらどうなるか。」
    「私たちは備えておかないといけない。」
    「人権問題なんて言葉が通じる相手じゃない。」
  • 去年の12月22日 「中東に足場を無くしたら、すぐ過激化組織イスラム国 IS は、イスラム教徒の多いインドネシア・マレーシア・ブルネイそしてフィリピンに王国を作って居座ろうとするだろう。」
  • 今年の3月19日 「テロ組織も麻薬を資金源にしようとしてる。」
    「ISは過激派組織アブ・サヤフのイスニロン・ハピロン容疑者を支部リーダーと認めた。」
    「巻き込まれるまで待つことなく、覚醒剤を断たなくてはならない 。」

こんなこと言っているんですよ。ドゥテルテは分かっていたの、全部。

周辺国はISの封じ込めを行う

(高嶋ひでたけ)フィリピンは条件的に言うとドツボですね。

(佐藤優)どツボ。それで19日から、インドネシア、フィリピン、マレーシアに三国がミンダナオ島、北の方で共同警備始めたんですね
(高嶋ひでたけ)はー
(佐藤優)(ISを)入って来させないとともに、出ていかせない。
すなわちもう、ミンダナオ島は拠点化しちゃったんですね。
だから、病気でいうと転移を抑える、火事でいうと延焼を抑えるという、こういう段階まできていて。ステージⅢからⅣぐらいの間ぐらい来ているって言う。
こういう深刻な状況だということが明らかになったんです。

ドゥテルテ氏が市長のときは自ら対処していた

(高嶋ひでたけ)麻薬で悪いやつを全部刑務所にブチ込んで。
人間が二重,三重に重なったりして。麻薬やったり密売やったりするもんだから。
若いやつが全部監獄にブチ込まれて、その隙にISがどんどん入ってきた様な図式なんでしょうか。

(佐藤優)正にその通りなんです。
今までは(ISがフィリピンに)入ろうとしていたんだけど、 ドゥテルテが、ミンダナオの最大都市のダバオ市長をやっているとき、入りそうになってきたらすぐ排除してたんですよ。
初動で感染を予防してたの。
(高嶋ひでたけ)大統領がダバオ市長の頃は排除してた。

(佐藤優)それが今度、大統領になっちゃったから。
ダバオは一つの地方都市だから、そこまで関心が回らない。
しかしドゥテルテ自身「まずいぞ」と。もう手遅れな状態に一ヶ月前になっていたということなんですね。

ISがフィリピンの麻薬組織と合流

(高嶋ひでたけ)ということはね、(イラクの)モスルどうしたとか言われますよね。ISもね、もうだめだと。
だけど、そんなことは先刻承知の上で、ISというは結構前からもあちこちに行っていた。

(佐藤優)ですからね、(ISが)大きテロをすると、そこにいれないから殺されてしまうよと。
それで「ミンダナオに逃げてみるか。」
ミンダナオ居心地いいじゃん。しかも覚醒剤と麻薬で商売すれば良いんだ。」
「そうすればシノギになるから金入ってくるぜ。俺たち法律破るのが仕事だから。」
こんなような感じの連中でしょ。
そうしたら、(フィリピンの)覚醒剤の売人たちも、「良い仲間が出来た」と
「これで俺たちのマーケットが中東まで広がって世界規模だ」
こんな感じになっちゃている。
(高嶋ひでたけ)ドゥテルテさんも麻薬撲滅を行なっているうちは、国民に歓呼の声で迎えられましたけど、こういうのが入ってくると、どのように手当すれば良いか分からないですね。
(佐藤優)これは、ドゥテルテさんのやり方としては戦闘でしょうね。

ミンダナオの戦闘がフィリピンの国論を揺るがす

だから、これからミンダナオで深刻な事が起きる。
(高嶋ひでたけ)すごい戦闘が起きるというということですか
(佐藤優)戦闘が起きると同時に、空爆とか本格化して、国際人権基準でどうだろうというと
フィリピンは民主主義国ですから、国論が割れる可能性ありますね。

日本も対岸の火事ではない

(高嶋ひでたけ) 日本への影響はどうですか。
(佐藤優)日本はもうすぐそこまできてる。
そうすると1億2700万人の中には「イスラム国、良いじゃん」と。
あるいは最近若い人でね、パンクの一種みたいな感じで、イスラム国ってカッコイイじゃないのか。
こういうようなところから遊び半分で入って。それが途中で中抜けができなくなると。
たぶん昔の学生運動で過激な運動もロックの延長線上ぐらいの感じの所でデモ行ったりしている内に、過激派の変な所に足を踏み入れたりして、
内ゲバに関与したりしたら、もう一生抜けられないと。
46年間ぐらい逃げてないといけないとかになるはずですよね。
そういうことが起きるんじゃないかということで、もう手前まで来ていますね、日本の。
(高嶋ひでたけ)実に対岸の火事じゃなくて、となりが燃えているぞと
(佐藤優)正にそんな話です。

〈書き起こしおわり〉

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