作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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【佐藤優】トランプ大統領が北朝鮮に最後通告。メッセンジャーは中国共産党!

投稿日:2017年11月21日 更新日:

2017年11月21日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が、アメリカのトランプ大統領が中国を通じて北朝鮮へ最後通告をした事と、トランプ大統領と安部政権との関係を語った。

アメリカのトランプ大統領はアジア歴訪に関して演説し、北朝鮮への圧力強化や、アメリカファーストを実現するための各国との取引の成果を訴えました。

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中国共産党は影の中国外務省

(野村邦丸)佐藤優さんが注目されているのは、今日から中国共産党の宋濤(ソウトウ)対外連絡部長が習近平国家主席の特使として北朝鮮訪問します。アメリカ側としても中国に対し米中首脳会談で北朝鮮に対する制裁を確実に履行するようにと言ってますけども。

(佐藤優)これは対外連絡部長がどういう人かを抑えていなかればいけない。日本では習近平さんの側近だと言う点が強調されますけどね。

中国の国家機構は共産党が政府を指導するんです。だから、一言で言うと対外連絡部長の言うことを外務省は全部聞かないといけない。対外連絡部というのは影の外務省なんです。

この対外連絡部が決めたことを執行するのが外務省で、王毅(オウキ)外務大臣よりずっと偉いんです。そういう人間が、表面上は中国共産党大会の報告っていうことですけども…遅すぎますよね。

(野村邦丸)間あいてますよね。

(佐藤優)これは、今回のベトナムでの米中首脳会談を待っていたんですよ。

それで表には出していないですよ。私の推定ですよ。米中首脳会談で多分アメリカはレッドライン、この線を超えたらいけないというラインを中国に伝えたと思うの。

中国共産党がトランプ大統領のメッセージを北朝鮮に伝えに行く

今、米朝関係はゲームのルールが成り立ってない。要するに何を北朝鮮がやった場合にアメリカが軍事行動になるのかと言うこと。皆一昔前まで、一昔ってわずか4ヶ月か5ヶ月前なんだけども。それまではICBM・大陸間弾道ミサイルの開発を本格的の行えば、すなわち発射実験を行ってアメリカまで到達する能力のミサイルがあることを示せば、アメリカは攻撃すると国際政治の専門家はみんな言ってたんですよ。私もそう言ってた。

ところがそれは起きていない。という事はレッドラインじゃないんですよ。

じゃあ何がレッドラインなのか。再突入の技術を完成させた時なのか、或いは核の小型化を行って搭載が確実になった時なのか。あるいはもっと大きな本格的な水爆実験した時のか。いずれにせよラインを明らかにしないといけない。

恐らく習近平さんに、トランプさんはラインを言った。習近平さんは「とんでもない、そんな事をしたって問題の解決にならない。」といってそこは平行線だったと思うんですが、それは織り込み済み。

それで中国が「トランプがこう言ってますよ」ということを北朝鮮側に伝えると。これが今回の大きな使命だと思うんです。

ですから17日から20日まで訪問する予定らしいけれども、その後北朝鮮がどう対応するかによって米朝戦争になる。200万人以上が犠牲になり、日本は横田基地が朝鮮国連軍の後方司令部ですからね、こういった所も攻撃される。

こういう戦争のシナリオに向かっているのか。それとも軟着陸のシナリオに向かって行くのか。

それが見え始める事で非常に重要ですね

(野村邦丸)中国共産党の対外連絡部長が、習近平さんでなくトランプ大統領のメッセージを伝える。

(佐藤優)そういう事です。ですから小僧の使いをやっているわけです。

北朝鮮に「中国はどう思うんだ」って言われたら中国は「ウチはダメだ思うけれどもトランプがそう言っているからね」と小僧の使いをやっているんです。

でも小僧の使いをやらないと、 お互いの本音(が分からない)、というか一方通行ですけどね。金正恩はそれに対して、すぐに反応しないでしょう。なぜならばそれを言ってしまったら普通の人になってしまうから。

わけがわからない人にしておかないと彼の抑止力は担保されないんです。

だから水を吸うだけのスポンジみたいな感じで、何言っても反応がないという感じだと思うんですよね。

そうしないと彼はゲームできないから。

ただ、これによって局面が変化していくのは間違いないと思いますね。

(野村邦丸)中国としても 対外連絡部長という実質的な外務大臣をわざわざ向こうに送るわけですから、面子という問題もあるでしょう。

それで北朝鮮は聞きましたよって言うだけじゃ終わらないと思うんですけど。如何でしょう。

(佐藤優)いや、これは聞きましたで大丈夫だと思います

ようするに、聞く耳持たないっていう状態な人が、聞く耳持つということになるというのは大きな進歩なんです。

前提条件が違うんです。お前の話は一切聞かないというのに対して、とりあえず玄関まで来て部屋の中に入ってくださいと応接間には入れると。

それで話を聞いて、反応何もしないと。ちょっと違いますよね。

今まで玄関にも入れないっていうところから、応接間までは入れる風になった。この違いがあります。ただ主人は出てこないと思う。

すなわち金正恩は出てこない。

(野村邦丸)金正恩本人は出てこないこれども、応接間に通されてお茶の一杯くらい出てくるのは間違いないと。それはかなり進歩してる。

(佐藤優)そういう事です。だって今まで家に入れてくれないんだから。

北朝鮮も戦争をするのは嫌

(野村邦丸)北朝鮮の譲歩と見てもいいんですか?

(佐藤優)譲歩です。それから北朝鮮も出口を考え始めてる。

それだから金正恩は戦争したくないんです。戦争嫌なんです。

ここの所を我々は正確に理解しておかないと。とにかく太平洋戦争に匹敵するぐらの死者が出るような戦争が朝鮮半島に起きると言うことは、日本としても絶対に阻止しないでいけない。

あともう一つ経済の話。

もし北朝鮮がやぶれかぶれになって持っている核爆弾を、米軍が上がってきてね、北朝鮮で爆発させたら。160キロトンなんて広島の10倍ぐらいの原爆。強化原爆か水爆。こういうの数個爆発させたら朝鮮半島しばらくの間誰も寄り付かないんです外国人。そしたら経済の拠点が東アジアから別のとこ行っちゃう。それから日本も構造的な貧困の縁に喘ぐことになる。

こういうのリスクもある。そういう事よく考えてね、勇ましく圧力圧力また圧力、ムチとムチという形でやって行って、それで暴発させることだけは防がないといけないと思う。

ですからトランプもそこのところは現実的に考え始めてたと思うんです。

ですから習近平は、かなりトランプを説得したんじゃないかなと思うんですけどね。

(野村邦丸)そうですか。

(佐藤優)ですから、北朝鮮に対して再度テロ支援国に指定するっていうことはやらなかったですよね。

(野村邦丸)テロ支援国にするのでなないかと言われてましたけどね。

(佐藤優)テロ支援国にするつもりだったと思うんです。

僕は、習近平がひっくり返したと思います。

だから習近平とトランプの関係ってかなり良い。ということは、反射的に日本との関係より中国との関係を大切にするかもしれない。

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トランプ大統領は八方美人の商人外交

トランプ大統領はハワイではリメンバー パール・ハーバー ですからね。日本に来ては愛想良いこと言って、韓国に行っては独島エビに、それから元慰安婦の人とハグですから。その場その場の局面で相手の喜びそうなことをしてくって言う、その意味での商人外交をやってますからね。

だからあんまりトランプとうまくいってるとか、首脳間の信頼関係があればうまくいくと思わない方がいいですね。彼は冷徹に自分の利益だけを追求してます。

(野村邦丸)現在ホワイトハウスから去っている元側近のレバノンさんは、トランプ大統領はビジネスマンなんだと。ビジネスマンである以上トランプ流というのは取引をちゃんとする。まさに今回の日本、韓国、中国そしてAPEC。この一連はやっぱりビジネス外交一色と考えれば。

(佐藤優)その通りですよ。完全にビジネス外交一色です。

鈴木宗男氏は牢屋に入って反省した。トランプ大統領も失脚しないとわからない

どうしてかと言うと鈴木宗男さんはずっと怒鳴ってましたよね。それで周りの人たちは言ったわけですよ。「先生、そんなに怒鳴られないでいいんじゃないですか。怒鳴られれた方はオリがたまります」と。そうしたら「俺はこれでここまで来たんだ!」とか言ってやっていたわけでしょ。

鈴木宗男さんは怒鳴り続けた結果、逮捕されて獄中にいるという状況になった。自分の立ち振る舞いをおとなしくしておけば、そういう事にはならなかったという反省は檻に入った初めてしたわけです。

トランプも檻に入れば今の商人外交を改めると思うけども、今までは取引で、Aさんにはあることを言って、Bさんには別のこと言って、自分は別のことを考えて、行動はそれとも別。

これによってとにかく利益だけ上がればいいんだという。

こういう商人外交、これは彼自身がそれでコケないかぎり変わらないですよ。

トランプ大統領、安部総理に下品な兵器ビジネスを迫る

だから今回日本に対して言ってきたのはね、「おい晋三、日本からアメリカに金を出すのにどちらが良いか。2つメニューがある。1つめは、いろんな分野で表の協議をする。食品とか自動車とかガチガチやって、最終的にアメリカの言うこと全部聞く。これがシナリオ1。

シナリオ2はアメリカの兵器を言い値で買え。どっちが良い?結論一緒だぜ。」

それで安倍さんは「めんどくさい、1番目にします、言い値で買います」こういう話でしょ。

(野村邦丸)具体的にトランプ大統領はF 35という戦闘機の名前まで出してましたからね。

(佐藤優)はい、それ買いますと。

(野村邦丸)あれは日本の防衛計画にあるものを再確認しただけじゃないかという見方もありますが。

兵器ビジネスは定価が無い

(佐藤優)いやいや、そんな話じゃなくて。F35の中に新しい壁紙を一枚貼ります。それだから値段1000万円高くしますとかね。値段が無いんだから

(野村邦丸)言い値ってそれなんですね

(佐藤優)そういうことです。それからね、金のネジを一つ付けましょう。こっちの方が見栄えが良いですよね。だからこれで100万円とかね。

こういう事いくらでもやりますから。

兵器は値段が無いんです。しかも、もう一回り上、例えば F35でも改良型ができましたと。そうしたら改良型が出来たならそっちの方が良い言って、前のやつはスクラップ。そういうような形でいくらでも言い値でやれますからね。

(野村邦丸)仕様がひとつ変わってカーテンが増えただけで1万ドルとか

(佐藤優)そんなのよくある話です。ただそういう風になると何が怖いと思います?

キックバックが生じやすいんですよ。裏金で。

兵器ビジネスは腐敗の温床

そういう風になると、ロッキード事件みたいな話ですね。ああいうのが起きやすくなるか、これは東京地検特捜部が、防衛装備品のアメリカからの購入に関しては徹底して目を光らせておかないと怖いですよ。

(野村邦丸)キックバックで利益を得るような人間がいるんじゃないかという。

(佐藤優)それからね、軍産複合体というのは怖いんです。例えば武器商人とかね。

今、役人に便宜を働いてもらうでしょ。お金の支払いは10年後、15年後なんていくらでもあります。10年15年のタイムラグがあると分からないでしょ。長期の約束を守りますから。

すごく武器の世界ってのは怖いし、ダーティな部分が多いし、ジャーナリストでもダーティな部分を一生懸命触っている突然心臓が止まったりする。

そういう世界だから本当にアンタッチャブル。だからその比重をを増やす言うのは、なんか良くないね。

だからヨーロッパやイスラエルから兵器を買という事を日本政府は一切しなくなると思いますね。相見積もりを取られたら困るんですよ。こういう話の時に。

同じ無人飛行でもイスラエル製は1/10だとか言うと、国民の税金ですからね。だからアメリカ一本で言い値で買いますと言う。全部随契って、こういう世界ですよね。

(野村邦丸)随意契約ですね。

(佐藤優)はい。

随意契約、腐敗、キックバックの温床。東京地検特捜部頑張ってください。こういう世界になりますね。

〈書き起こしおわり〉

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