作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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【佐藤優】安倍総理のイヴァンカ補佐官歓迎は異常!プロトコル・外交儀礼とは?

投稿日:2017年11月7日 更新日:

2017年11月3日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が、イヴァンカ大統領補佐官、トランプ大統領の訪日を語った。

アメリカのトランプ大統領の初来日に先ち、イヴァンカ大統領補佐官が成田空港に到着しました。
イヴァンカさんは、4日まで日本に滞在する予定で、3日午前には、日本政府が主催する国際女性会議に出席します。

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外交儀礼に反する安部総理のイヴァンカ歓迎

(野村邦丸)入れ替わりでお父さんであるトランプ大統領が日本に来ると。
イヴァンカ大統領補佐官はトランプ大統領の長女なんですか、今回安倍総理と食事を共にするということです。大統領補佐官と一国の総理、安倍総理が公式に食事会をするというのは異例中の異例らしいですね

(佐藤優)異例中の異例であると同時に、異例というか異常ですね。

(野村邦丸)異常。

(佐藤優)どうしてかと言うと、イヴァンカさんに相当するのは、日本の場合、秘書官ですから。それがアメリカに行ってトランプさんと食事してもらえるかっていうことですよ。

(野村邦丸)日本の秘書官がアメリカに行って。

(佐藤優)外交の世界においては相互主義というのがあるんです。だから同じことしてるんだから同じ事すればいいんです。
ところが同じことしてもらえる可能性がないならば、対応を変えないといけない。例えば大統領補佐官としては、総理大臣とは格は一緒じゃないんだけどもトランプ大統領の娘さんという事で食事するんだったらいいんだけども、それだったら大きくを公表すべき話ではない。プライベートとしてやるなら良い。その辺のところでなんかずれてる感じしますね。

(野村邦丸)外務省でしょ、これ

(佐藤優)いや外務省は仕切っていないです。外務省はこういう事があったら反対すると思います。

外交のプロトコル、外交儀礼がありますから、あくまでも大切な方だってことはわかるんですけども、補佐官と総理が対等という形だと日本は従属国みたいじゃないですか、それはやめましょう」と。外務省だったら言いますね。

(野村邦丸)大統領補佐官ではなく、大統領の長女という立場でプライベートの食事するのは良い。

(佐藤優)それは構わないです。プライベートの話だから,首相動静に小さく事実として出る。その程度の扱いにすべきで、事前にこういう対応を大きく広報するのはしないでしょうね。

(野村邦丸)外務省からすると「前列を作ってはいけない」と 総理官邸に物申すことはできないんですか?

(佐藤優)言ってると思いますよ。さすがこ種の事だと。しかしその先は政務の判断、要するに政治判断ですから。「外務省はしらないよ、言うこと言ったよ」と。まあこの程度の関与しょうね。

(野村邦丸)いちおう言うことは言ったよと。

(佐藤優)形だけは言いましたと。何故問題なのかをきちんと説明しきれてないと思いますね。でも公私の区別がよくわからないというのはこの官邸の特徴ですからね。ですから名前は避けますが、ある国家指導者の奥様はどこかへ学校を作るとか言って国家指導者を名誉校長にしたらいいんじゃないかとか、そういう疑惑が出て来かねないっていうのは公私の混同が行われてるからですよね。

(野村邦丸)似ている感じがします。今回の一件も。

(佐藤優)似てます。根っこにおいては。なんかプログラムが変な感じなんです。ソフトが変な作動してるんですよ。 OS違うとめんどくさいですけどね。
外交的には異例ではなく異常です。

トランプ大統領が日本に北朝鮮攻撃を持ちかけてきたら?

(野村邦丸)それでお父さんであるアメリカ合衆国大統領のドナルド・トランプさんは来日して安倍総理とゴルフを楽しむということですが、トランプ大統領と安倍さんは蜜月と言われています。
トランプさんが大統領に当選したらすぐにニューヨークのトランプタワーに行ってトランプ大統領に会っている。

公式に大統領と総理が会ったのは4回。電話協議というのは16回。実際はもっと電話協議やっているのではないかと

(佐藤優)そうですね。電話は表に出さないことありますからね。

(野村邦丸)蜜月というのはいいのかもしれませんが、アメリカ一国、トランプ大統領に頼るのはいかがなものかという論調もされている。

(佐藤優)ただ次の人が出てきたら、次の人に頼るって事でしょうね。
だから前の(オバマ)大統領の時にはお寿司屋に連れ行ったりするわけで、個人的に非常に親しい関係だと言うことを演出する。そういうのが趣味なんでしょうね今。

ただ気をつけないといけないのは、北朝鮮の圧力とか言ってるでしょ。いかなる選択肢も排除してないと。
じゃゴルフなんかやりながら「シンゾー、レッツゴートゥギャザー。一緒にやろうぜ」とか、こういう風な話になったらどうやって対応します?

(野村邦丸)3番ホールで二人でセカンドショットのとこまで歩いて行って。

(佐藤優)北朝鮮のことだけどシンゾー、レッツゴートゥギャザー。 一緒にやらないか?」こうなった場合、トランプ大統領が日本の憲法的な体勢からして海外への先制攻撃が無理であるとか、或いは仮に北朝鮮を空爆するとなった場合には韓国のナショナリズムが、過去の植民地支配者の関係でどう反応するかとか分かってないでしょ。
こういうリスクが山ほどあると思うんですよね

(野村邦丸)抜き身での話というのいはこれから3日間、しょっちゅうするわけですよね。

(佐藤優)はい。もちろん表に出すのはごく一部ですよ。しかし結構大変だと思いますね。

(野村邦丸)日本の外務大臣にあたるアメリカのティラーソン国務長官は北朝鮮外交は対話しようと言ってる。
それに対して電話対談している安倍総理に「国務長官が言ったことをどう思う?」と、身内の外務大臣の発言を他国の総理大臣に相談した。こういう事ってあるんですか

(佐藤優)それは外交の世界ではでよく聞く。表に出すのは異常ですけど、よくありますね。外務大臣がこういう風に言ったんだけども、首脳としてどう言う風に受けとめてるなんて言うのは、よくあります。首脳会談の準備をする過程において本当の相手の腹を探るって言う所では。ただ表には出さないんですよね。こういう話は通常。

(野村邦丸)漏れちゃっているわけでしょ、これ

(佐藤優)不思議ですよね。そういう事っていうのは。

(野村邦丸)何か意図があるのかなと思いますよね。

(佐藤優)意図は無いと思いますよ。これぐらい親しいというのをアピールしたいんでポロッと出ちゃっている。こういう類だから、あまり秘密保全とはそういう発想ないんじゃないんですかねですかね。
トランプさんもそういう人でしょ。「中東某国から聞いたんだけど、最近すごいテロがやり方があるらしいよ」というのをロシアの外務大臣にして、後で大問題なったじゃないですか。だからあまり秘密保全の感覚がない人が二人いると。

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安部総理は英語が出来なくて良かった

ただ一つだけ安心なことがあるんです。安倍総理はそれほど英語堪能じゃないでしょ。それだから通訳が入りますよね。だから外務省の外交専門家たちが話の内容を知ることができるんです。
これがもし英語に堪能な総理大臣、例えば河野太郎外務大臣みたいな人だったら通訳を外しちゃって、サシで話をすると。
そしたら本当にブラックボックスになりますよね。だから安倍総理の場合は完全なブラックボックスにならないというのがプラスの点ですね。

(野村邦丸)過去に留学経験をお持ちの安倍晋三総理なんですけども、英語のニュアンスまでは…

(佐藤優)いや、日常的にしゃべる訓練していないと。例えば私だって英語で外交のやりとりをしろと言われれば通訳つけますよ。それは現役の外交官時代と違って、ロシア語は頻繁に今でも使いますけど、英語を日常的に使う機会はそんなにないですから。
それだからネイティブの、特に私イギリスの英語だったら聞き取ることはかなり出来ますけども。アメリカ英語で南部の訛があったら分からないですからね。普通に喋られちゃうと。

そしたらやっぱり英語の得意な人を通訳につけますよね。

(野村邦丸)通訳をつけるというのは、何を言っているか分からないで適当な答えだと大変な事になってしまうと。

(佐藤優)それと同時に考える時間をつくる。あといざという時にこっちがまちがえたと通訳のミスにするやり方があるんですよ。それであえて通訳をつけるんですね。

公式会談では英語が喋れる人も、自国語で話すことが国家独立の証

(野村邦丸)昔、宮沢元総理は英語に非常に堪能だったんだけど、あえて通訳をつけていた。

(佐藤優)それは公式会談の時です。

これは日本がもし英語を使ったとなったら、英語は日本の公用語じゃないでしょ。相手の言葉で喋ると言うのは、占領下にあるとか保護国という意味合いが出てくるんです。
だからどんなに小さい国であっても、会談は自国語。あるいは自国の公用語で英語が入って場合は公用語である英語を使うという事になるんですね。

それで両方とも喋れない、たとえば昔、エストニアとかラトビアで日本語の専門家っていうのが交渉に出てくるんですけども、全然分からないぐらいのレベルの日本語なんですよ。
それでこっちはエストニア語やラトビア語の専門家がいないでしょ。
そうすると会談はロシア語か英語でやるんです。双方にとって自分たちの母国語じゃない第三国の言葉でやる。
そういうような形でやるんですね。だからイスラエルの首相と日本の総理大臣の会談で英語を喋るということだったら問題ないわけなんです。ところがアメリカ、イギリスとかオーストラリア。そういった所との公式会談で英語で喋ることになると相手にへりくだっている事になるんですね。
さっきも言いまたしが「プロトコル」、通常外交儀礼と訳しますけど、これはすごい重要なんですよ。

我が国が独立国であるって言うのは、日本語を公式会談で使うということに表れるんですね。
宮沢さんそのことがよくわかってる人だから、日本語を使った訳です。

佐藤宗男流の通訳チェック法

ただ辛いんですよ、通訳の方からすると。英語に堪能な人が横で聞いていて、通訳をしてると。
通訳のミスは、自分で通訳できる能力が10必要だとすれば、通訳のミスチェックするのは1か2で出来ちゃうんです。
だから人の誤訳のチェックはすごい簡単なんですよ。結構、政治家でわかる人だとチェックされちゃうんですよ。

或いはね、鈴木宗男さんみたく英語とロシア語を特に勉強してないでしょ。
ところが誤訳はすぐに分かるんです。

(野村邦丸)そうなんですか?

(佐藤優)話が少しでも噛み合わなくなった時はだいたい誤訳してる時なんですよ。
それで「この通訳大丈夫か」とか横で言われるわけですよ。
あちゃー、ウチの通訳まだ基準に達してないなとか思うと、自分で通訳しちゃいましたね。「じゃあちょっと君変わって」とか言って。だから本当に通訳の世界は大変なんです。

(野村邦丸)とはいえ今度は霞ヶ関カンツリー倶楽部で3人で松山英樹さんとゴルフをする時に通訳は介せないでしょうから。

(佐藤優)いや、通訳がはり着くと思います。後ろに黒子のようにしてはりつきます。

(野村邦丸)そこでチェックするわけですね。

〈書き起こし終わり〉

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