作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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佐藤優

【佐藤優】自民党勝利で安部総理は退陣!国民が本当に望む政治とは?

投稿日:2017年10月20日 更新日:

2017年10月20日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏と鈴木宗男が、公明党・共産党・希望の党・立憲民主党・自民党の各政治思想を語った。

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(野村邦丸)報道機関の世論調査で野党第一党は希望の党ではなく立憲民主党が第一党になる勢いがあると報じています。

今回の選挙、佐藤優さんはどのようにご覧なっていますか。

希望の党の勢いが立憲民主党へ移った

(佐藤優)まず、選挙期間中ですから特定の政党や候補者を支持するとか、支持しないと言うべきではないので言いません。

今回の選挙に関して、実は一番大きな役割を果たしたのは前原誠司民進党代表だと思うんです。

非常に複雑で様々なプロセスがあるから、それこそアマゾンで蝶々が一回羽ばたいて、それが原因になって日本で大嵐が起きるかもしれないという複雑系と似ているわけなんです。

ですから最初、民進党から全員行こうと思っても、小池さんが「(民進党議員を)排除」というワーディングを使う。その「排除」が(批判的に)わーっと走って行く。それと同時に小池さんの側近が「(政権奪取は)次の次」とか言う。それで何?という雰囲気が出てくる。

そこのところで今度、勢いが立憲民主党に移っていくわけですよね。こういう事って今の政治の面白みだと思いますね。

ただ大きく考えてみた場合、今の世論調査の予想からすると、どうも与党優勢である。特に自民党優勢だって話なんだけども。

30 cm のものさしを今ここで考えてみましょう。

既成政党は左右に寄りすぎ、立憲民主党と公明が民意に近い

(野村邦丸)30 cm のものさし。

(佐藤優)15cmの所が真ん中。日本の政治は真ん中を中心にして正規分布、山を書いてると思うんですね。あんまり極端な人って、この国いないと思うんですよ。

ところが今度の選挙結果では、右端5 cm ぐらいにほとんどの勢力が集まってくると思うんです。

これは自民党もそうだし、希望も維新もそう。あるいは日本の心なんてそう。

それから今度、左端5cmにいるのは社民党と共産党だと思うんですよ。

じゃあ、それ以外はどこにいるのかって言うと、実は立憲民主は左派だとかリベラルとか言われるんですけども、あの人たちの政治政策や主張っていうものを見た場合には、センターライトぐらいだと思うんですよね。

(野村邦丸)真ん中15cmよりちょっと右より。

(佐藤優)それぐらいのところだと思うんですよ。革命的な傾向は無いですしね。

公明の方がもしかしたら真ん中に近いのかもしれない思うんですね。真ん中よりちょっり右ブレなのかもしれないですよ。

そういうことを考えた場合に有権者全体と比べてて、極端に日本の政治の代表者が右によりすぎてる。これが一点。

自民党支持率は高いが安部首相の支持率は低い事が党内政を呼ぶ

あともう一つ、自民党に対する支持率は世論調査で高いですけども、安倍総理に対する支持率は決して高くない。不支持率が上回っている例もある。

そうすると国民の全体的な意識と、今度選ばれてくる代表が乖離してますから。こういう時ってのはちょっとしたスキャンダル・暴言失言で世論が大きく反応する。なおかつ自民党の支持率と安倍総理の支持率の乖離がありますから党内政局に発展しやすい。

そのうち政治不安定になってくると思うんです。

そうすると、また党内政局やスキャンダルで急速に内閣の支持率落ちるって言うの事が起きてくることが想定され、その後また総選挙、あるいは今度の参議院選挙に合わせでダブル選挙という形でしばらく政治不安定な状況が続くんじゃないかなと私は見てます。

(野村邦丸)自民党が固い選挙戦を続けて、自民党が勝つとしたら安倍政権は続きますよね。安倍政権は続くんだけど、決して長くないかもしれない。

北海道、沖縄で立憲民主党が支持される理由

(佐藤優)色々なシナリオがあると。

あともう一つ。北海道と 沖縄は、世論調査を見て今のものさしで言うと大体民意と同じような結果になるんじゃないかと。

そうすると北海道沖縄を除く日本と、北海道沖縄の感じは違ってくると思うんですね。

すると北海道沖縄選出の政治家は力があるわけです。どうしてかと言うと民意に近いから。

そういうところにおいて日本の中の地域差ってのが出てきますよね。やっぱり北海道沖縄は、日常の生活で政治を必要としてるんです。

経済的にも大変な面があるし、基地負担が多いとか様々な問題がある。だから政治が必要なところになると、民意からそれほど乖離しないと思うんですよね。

(野村邦丸)今のままで行くと、北海道は自民党より立憲民主党あるいは民進系の無所属議員が善戦している。

(佐藤優)あそこにはまた不思議な地域政党がありますからね。

(野村邦丸)鈴木宗男さんの所がありますよね。

それから沖縄に関して、自民党沖縄県連が危機感持ってるのは、ひょっとすると今回の選挙で沖縄選出の自民党衆議院議員がいなくなる可能性を否定していない。

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沖縄は比例復活だと民意を反映していない

(佐藤優)あと、沖縄の場合は小選挙区を勝ち抜かないと沖縄の民意を代表してるって言えないんですよ。

比例復活の場合、たとえば北海道は比例復活は北海道ブロックですから北海道の民意ということになりますけども、(沖縄は)九州と沖縄をブレンドしてますから。

(野村邦丸)九州沖縄ブロックですものね。

(佐藤優)九州沖縄ブロックですから、圧倒的に人口の多い九州の民意を反映してると見るのが妥当になる。沖縄の政治家としての正当性が比例復活だとかなり薄れるんですね。

(野村邦丸)翁長知事が県知事になって以来、沖縄県は選挙区で勝ち上がった自民党議員はいないんですよね。

(佐藤優)今のところ居ないですね。こういった雰囲気っていうのが今度北海道にも及んでくるっていうことになる。

だから北海道民は、民進党の人たちを見て今回のような政治ゲームに対して非常に冷ややかで、自分たちで判断していますよね。

それは裏返して言うと政治が必要なんですよ。政治が必要な所であると、風であるとか、まあなんとなく大丈夫じゃないってことではなくて、誰を選ぶかということで自分の生活が変わってくる。

これが北海道、沖縄の特徴だと思うんですね。

国民は穏健保守を求めている

(野村邦丸)佐藤さんがおっしゃった30 cm のものさし論で言うと、ちょうど真ん中の15 cm 右端の方に少し傾いている立憲民主党が世論調査で勢いがあるということで言うと、立憲民主党の枝野さんは決してリベラルではないってことを言っている。憲法改正についても議論すべきだとおっしゃている。

穏健保守という言葉がありますけど、今穏やかで健やかな保守を国民世論は求めてるって事ですかね。

(佐藤優)ボリュームゾーンはそこだと思いますよね。ただ、それと同時にやはりどうしても日本の政党は中央集権的ですから、地方分権的な要素がないといけないっていうことで。

小選挙区制っていうのは本当にこの国の政治の組み立てと馴染むのかどうかって言う問題が出てきますよね。

あと比例区があることによって多様性が担保されてるって言う、ここの所も出てくる。いろんな問題はらんでいると思います。

いずれにせよ、全部小選挙区のオセロゲームでしたら、本当に20%ぐらいしか代表してない極端な人たちが議席の全部を占めるって事がありうると。それは民主主義として良くないですね。

〈書き起こしおわり〉

-佐藤優

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