作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

主任分析官ブログ | 佐藤優発言集

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【佐藤優】前原民進党が小池希望の党の主導権を握っている!安倍総理は解散失敗か!?

投稿日:2017年10月3日 更新日:

2017年9月29日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が、前原誠司氏が代表を務める民進党と小池百合子・希望の党との合流と、安倍晋三総理への戦略を語った

 

民進党は9月28日の両院議員総会で希望の党への合流を決定しました。事実上の解党となります。衆議院解散を受け民進党に所属する前職の衆議院議員は前原氏を除いて基本的に離党した上で希望の党に参加します。

政権奪取に向け希望の党の代表で東京都知事の小池氏には国政復帰の待望論も出てています。

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小池希望の党は前原氏が主導権を握る

(砂川圭太郎)世間では小池新党に民進党が飲み込まれたと言う様な味方がされている感じがするんですけど、佐藤優さんの見立てはそうではない。

(佐藤優)おそらく今の有識者の中で唯一違う見方を知ってる人間だと思うんですけども、これは完全に前原誠司さんが主導権握ってます。

(砂川圭太郎)逆に!

(佐藤優)逆です。どういうことかと言うと、小池さんのところは選挙をやるにしても、国政選挙って言うのは都政と違いますからね。それなりの見識のある人物を立てないてならないんですよ。そうじゃないと、他党で何度も落選してる人とか、そういう人しか出てこない。もう時間がない。

あと、お金無いの。多分、助成金の関係があるから民進党の金庫に150億ぐらい入ってる。

(砂川圭太郎)びっくり。民進党はそれぐらいお金を持っている。

(佐藤優)持っている。岡田元代表はお金を使わない人。それから蓮舫前代表はお金の使い方を知らない人確か質問で前さんに98億円位ある民進党の政治資金はどうなんですか?と言ったら、前原さんは「もうちょっとありますけども、今後考えてます」と言っているのはそのお金。

それでね、民進党からちょっと前に希望に行った人には、公認の条件に600万円持って来いと言われて600万円持っていったの。700万の人もいるし1000万要求された人もいて、これ積算根拠があるのか言う、それぐらい不思議な状態になってるんだけど

お金無いんだな。お金と人が喉から手が出る程欲しいわけ。そこで前原さんのところが両方全部出しましょうと。

前原氏は民進党を棄ててもやりたい政策がある

今回、小池さん側が(候補者を)選別してるって言うでしょ。たしかに選別はしてると思う。私は3つの基準があると思うの。みんな憲法とか原発とか言っているでしょ。私それはたいした問題じゃないと思う。一番目は当選可能性があるかどうか。

(砂川圭太郎)超現実的な。

(佐藤優)二番目は小池さんとの人間関係。3番目に憲法とか原発とかの思想。

それから原発に関しては元々、民進党は2030年原発ゼロを目標に掲げてたから、これは踏み絵にならず。じゃあ憲法については、9条を含む憲法改正について議論するって言うことだから、議論は良いでしょうと。その結果、改正には反対ですって言うこともありうるわけですよね。から踏み絵になっていない踏み絵なんですよ。

そこのところで当選可能性のない人間、それは公認しないと。それから小池さんどうしても肌が合わない。その人はバツと。それ以外みんな行きますよ。

(砂川圭太郎)考えよりも小池さんとの人間関係が先に来てるわけですね。

(佐藤優)先に来てます。それは明らかにそうです。小池さんと前原さんは今回、何でこういう話が出てたかと言うと、人間関係が元々あるから。日本新党の時に一緒だから。その時の感覚があるんで、お互いどういう性格かよく分かってるから、それでやりましょうって話ですよね。

安倍総理は解散のタイミングを誤った

また、今回私は安倍総理のエラーだと思いますよ。

まず北朝鮮のミサイル発射に関して、その直後においては、世の中大変だというけど、私が言っていたことは全然大変じゃないと。国際社会の反応や現実を見ても、冷静に振り返ってみるとそんなに大変な話ではなかったですよね。これは今までと変わってないって話だったと。北朝鮮問題を使って、政権の支持率が上昇してきたから今がチャンスだって形で安全保障の問題を政局で使ったんですよ。これあんまりよくない。れだから争点を取ってつけたようにしないといけない。

前原さんが3年ぐらい温めて作って発表した、それを自民党の公約にした。消費税の使い道を変える。特に子どもの教育無償化。あるいは大学なんかも含めてですね、教育を無償化していくと。

実は前原さんが政策転換するのに3年ぐらいかかってるんですよ。前原さんって言うのは、中学生の時のお父さんが鉄道自殺して、その後はお母さんが頑張て生活保護は受けないで、本当に歯を食いしばって高校の時は奨学金、大学も奨学金朝の4時から魚屋でバイトをして、それで大学で出たっていう、そういうタイプだから。自力で這い上がってくるという思想が強い。

松下政経塾に行って国会議員になっても、どっちかというと規制緩和論者だったんだけれども、民主党が政権についた頃から、だんだん社会の構造が変わってることに気づき始めた。

それで慶応大学の井手英策さんと3年ぐらい前に知り合てったから、自分の考えはもしかしたら間違えてる。いや、たぶん間違ってると。

どう変えたら良いんだってことをずっと議論して、結局は自分と同じような境遇で、中学生のとき、もしお父さんが自殺して母子家庭だったら、自分みたく京大行くとこができるのだろうかと。あるいは母子家庭父子家庭の子供達が教育をきちんと受けることできるんだろうか。無理だと。

社会構造の問題があるから変えないといけない。そのためには税金を多く取らないといけないし、財政再建も伸ばさないといけないし、全部のプログラムを変えないといけないと言う事で2年ぐらい勉強会してたんですよ。

いろんな人呼んでね。私は最初から最後まで実は端っこの方に座ってたわけ。少人数勉強会だけれども。

それで最後、この話って言うのをただ党の方針として発表しても誰も読まないから本にしましょう分断社会日本』って井手さんと前原さんと私の共著を去年出しているわけ。

それと全く同じ考えだから、仮に実現しても根っこの自分の人生から来ている話でしょ。それから大きな政策転換が必要だってことは彼はわかってるんだけども、自民党が付け焼き刃を付けた所だって、後で財務官僚とかあちこちの抵抗に会って実現できない。

こういう様な感じのところになって、これは正攻法であっても無理だろうなと。あるいは自民党に対して反発をすると、いろんな官僚政治家のスキャンダルがなんか沢山出てくる。これはいつも誰か見張ってる人がいないと分からないような話しだと。なんか変な感じだと。

こういう今の安倍さんのやり方に対して、彼は本当に頭にきたんですね。それではとにかく政権奪取しないといけないと。そこからだと。そんな感じになってきた。

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前原氏は「加入戦術」で希望の党へ入った

それで、こういった時は昔の自社さ政権の時と一緒で、村山さんを総理に立てた自民党って言うのは全部譲ったように見えて、実際はあれによって社会党が解体してしまったのですよね。ちょっとそれに構造が似てます。実はね「加入戦術」という用語があるんです。

(砂川圭太郎)加入戦術。

(佐藤優)加入戦術。組織を作っていく方が大変な時にどこか別の組織の中に入っていって、それで影響力を拡大してくっていう考え方なんですけど。一種の加入戦術だと私は見ています

(砂川圭太郎)人数はこの展開で行くと旧民進党所属の議員が希望の党の中で多くなる

(佐藤優)そうすれば、実際の綱領も公約も多数決で決めるわけですから。そうすると旧民進党がそこでは主導権握ることは明白なんですよね

ただ、いま新聞の報道見るとそこが見えてない。一手先がどうなるのか。

一見すると消費増税に反対している小池さんの所に行ったら、税の使い道変えるっていう公約は撤回になるのか。そんなことはない。それは消費増税はいずれやるだから、いつやるかのタイミングで。その時にはその政策が生きてくる

結果として井手さん前原さんの政策はですね、自民党が採用したことによって、その政策は自民党政権が勝ってもやらないといけないでしょ。それで希望の党が勝って政権交代が起きても、いずれやる事になるんで政策は生きるんですよ。不思議な状況になってる。

(砂川圭太郎)民進党は飲み込まれたのではなく、加入戦術。それぐらい前原さんは怒ったし本気で安倍政権を倒そうとしている。

(佐藤優)いざとなったら捨て身の方が強いんですね。この10日ぐらいの所において世論はどういう風になるかっていう流れなんですけどね。

解散にもなったから、特定の政党とか特定の政治家を特に強く応援するってのはこれはやっぱりメディアの中での発言ではアンフェアですからね。特にラジオの様な多くの人が聞いてるとこにおいては。

論点の整理としてはそういうことじゃないかと思いますね。

自民党に危機感無し!?

(砂川圭太郎)これを受けて焦ってるのは自民党。

(佐藤優)いや、ほとんど焦っていないです。

おととい鈴木宗男さんのパーティーがあって、鈴木宗男さんは公民権停止が解除になりましたから。ご本人はまだ出るか出ないか決めていないって言ってるけども、僕は多分出ると思うんですよ。

でも自民党から出ません。新党大地です。

娘さんは自民党比例区の上位で出るって言う事なんだけれども、そこで自民党の人が色々来ていたのね。率直に言うけども、河野太郎さんは自分の政策演説会みたいに自分がどれぐらいあの立派な事やってるのかって話が中心で、世耕さんもそういう話だった。官邸からは官房副長官しか来なかった。前回は安倍総理が来てたけど。

それに対して伊吹元衆議院議長が、かなり悲壮な感じでね、北海道の情勢は非常に厳しいと。特に希望の党に民進党が合流するって流れが出て大変なことになるから、鈴木さんは是非新大地じゃなくて自民党で出て欲しいと。そこはお願いしますよって形で言って、森喜朗さんは、北海道は鈴木宗男さんが新党大地で出て欲しいと思っている。そうじゃないと票を自民党ではひろいきれないと。そして新党大地として全ての選挙区で自公を支持してほしいと。お願いしますと。こういうことなの。

伊吹さんと森さんはすごい危機感なのね。ところが世耕さんは森さんが話してるのに帰っちゃうんだもん。森さんは自分の派閥も元々親分のはずだったのにね。世耕さんや河野太郎さんは絶対勝てると思ってるんだよ。余裕だった。

この長老たちの緊迫感と現職の余裕。このギャップを感じて、現職は全然危機的とは思ってないだろうなという印象を受けましたね

自民党は比例区で公明党を裏切るか!?

(砂川圭太郎)これが佐藤優が言う1週間経った時に(どうなるか。

(佐藤優)どうなるかということだと思いますよね。それと引き換えに公明党の山口那津男代表も来てましたけども、非常に緊張感持ってました。公明党は今回、相当大変な事態だってことで緊張感を持って引き締めてるでしょうね。興味深いのは公明党と小池知事が完全に決裂してるかと言うと、東京都での政策提携とか、或いは都民ファーストと公明党の関係はまだ切れていないですよね。といういうことはちょっと両にらみの要素が公明党ありますね。だから東京都においては東京都、国政においては国政という仕訳で両睨みをしてると。こういう感じだから、東京選挙区はどうなってくるのか、これ見ものになりますね。

(砂川圭太郎)どちらにもつけるようにしておくと。

(佐藤優)どちらにもつけるか。自公でやるんですけどね。要するにギリギリのところになった時に自民党が、公明党と自民党バーターというのは小選挙区では公明党は自民党に入れる。太田昭宏さんを除いて。その代わり比例区には自民党の一部が公明と書くということなんですけれども、もし自民の候補者達が自分が危ないとなってきて、比例で救われるっていう可能性が出てきた時に、公明党ときちんと書くかどうかってことなんですよ。これはフタが空いてみないとわからない。そういう問題が全国各選挙区で出てくると思いますね。

共産党は取りこぼした票を狙う

(砂川圭太郎)もうひとつの動きとしては、自民対野党共闘って言う戦いが前回までの選挙戦でしたけど、民進党が希望の党に加わったことで、共産党の動きはどうなるのですか。

(佐藤優)共産党はこの機会を最大限利用しようとしてると思います。民進党による裏切りだってことを言って、市民運動や民進党のリベラル系の人たちを、こんな民進党なんて無くなって、第二自民党の小池新党を支援してるんだから、受け皿なんてとんでもない話だと。そう言った形で自分たちの影響力を拡大しようとするから、結果として自民党を利すことになりますよね。そういう動きを今していますね。

そうすると民進党の中のリベラル派の人達は、今度の希望の党に行くのか。それとも独自路線を取るのか。そこの所って言うのが全然の流れを分けるところだと思います。

ですから共産党にとっても党勢拡大の絶好のチャンスが来てます。

(砂川圭太郎)この選挙が終わってみるまではどうなるか分からない。

(佐藤優)ただし、まずは10日までですね。10日に公示が始まると報道は非常に抑えられますから。それまでにどういうような報道、特に双方ですけどもスキャンダル系の報道でどういうものが出てくるかって言うこと。

それからその後は世論調査の勢いですね。希望が伸びてくることは確かなのだけどどの程度のカーブで伸びてくるのかと。ここの所って言うのが全体の判断でが非常に大きくなってくるでしょね。

小池都知事は後出しジャンケンの天才

(砂川圭太郎)そしてもう一つ注目されるのが、小池さんは代表になりましたけど、(国政に)出るのか出ないのかというところで、本人は出ないと。

(佐藤優)今のスタートは「出ない」しかないんです。今出ると言ったらどうなります?

(砂川圭太郎)都政はどうなるんだ!

(佐藤優)そのとうり。ところがもう一つのシナリオ。安倍さんや菅さんが「両方出来るはずなんか無いだろう、無責任極まりない。どちらかを選べ」という風に言って連日新聞に出る様になったら。(小池さんは)「総理のおっしゃることを真摯に受け止めました。どちらか選べということなので、国政を選びました。なぜならば国政で私は勝利しなければ、都政もめちゃくちゃになるからです。東京都を守るためにも、私は国政に出るのがベストの選択と思いました」多分そういうレトリック、引き出しで出てくると思う。

だから兼任はおかしいじゃないか、こんな無責任な姿勢は無いじゃないかと安倍総理が攻撃するのを待っていますよね。早く攻撃してと。そうしたら理屈が立つからと。彼女はね後出しジャンケンの天才なんです。相手に手を出させて、それから自分の手を出しますから。

(砂川圭太郎)テレビでも、国政に出る確率は何パーセントですかと聞かれて、100パーセントではないんですよね。なんか余地を残してるなって言う答え方をしているんですよね。

(佐藤優)分母が何パーセントということですからね。120%出ないというのは、分母が1000パーセントかもしれませんからね。

面白いのは、細野さんの話も出てましたけどね。細野さんとか若狭さんが何を言っても関係ないですよ。要するにリセットだって言ったら、あの二人もリセットですから。

これちょっとトランプ大統領に似ていますよね。お前はクビだ!という。

(砂川圭太郎)急に小池さんが出てきて、あの二人の存在感が薄れた感じはある言うか。

(佐藤優)民進党から先に出ちゃった人はお金は背負っておかないといけないわ、影響力は小さくなわ、で損をしたなと。しかし恨むなら自分を恨むんですね。タイミングを見るのも政治家の実力なんです。

(砂川圭太郎)後出しが優位な状況に。

(佐藤優)そう。だからどのタイミングで後出しをするかと。でも完全な後出しとなると卑怯者ってことになるから、卑怯者と見られない程度の後出しの研究なんですね。小池さんはその天才なんです。

決して好きな政治家じゃないですけど、有能な政治家であることは間違いないです。

「希望の党」は「野望の党」

(砂川圭太郎)希望の党も2月から準備をしてたわけですもんね。

(佐藤優)松山千春さんが言っていたんだけど、希望の党もね、本当は欲望の党だと。しかも野望の党じゃないか。

私は松山千春さんが正しくて、やっぱり野望の党だよね。でも権力にしがみつかない政治がダメなの。あっさりとしているのは、やりたいことがないって言うことだから。だから権力にしがみつくってことについて必死の安倍さんと、小池さんと、前原さんと。いい勝負になってると思う。

だから、それぞれのやりたいことがある。小池さんは何がやりたいことかだけども、それは多分、日本初の女性の総理になりたいってのはとりあえずのやりたいことで、やりたいことは政策じゃないよ、彼女の場合は。

正に野望なんだけれども、でもそういう様な器ができれば色々なものが入ってくる。そう言様に見てますけどね。

どうなるか本当に読めない、但し、何回も繰り返すけども新聞で報道されてる様に小池の軍門に、ふにゃふにゃになった前原が入っていて行って、何でもします、靴の裏を舐めますみたいな感じで新聞読んでると見えるけど、実態は違いますね。主導権を握っているのは前原さんです。

(砂川圭太郎)あくまで前原さんは自分の人生をかけた政策と

(佐藤優)人生をかけた政策それをどの道で実現するのかって言うところにおいて、これ一回死んで生き返ると。種ののままでいつまで待ったら、種が一回死んで、芽を出して木にならないといけないですからね。

古い民進党古い前原も一回死なないと。ここの所って言うのは生き返ることできないこういう風に見てるんですよね。だからこの短時間で彼の思いが伝わるのか、全然伝わらないのか、あるいは中途半端に伝わるのか。それは全然分からないです。あと安倍さんサイドの方がどういう反撃をしてくるのか。完全に攻撃は前原・小池で今自民党は守備に回っていますからね。こういう構図ですよね。〈書き起こしおわり〉

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