作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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【神回】佐藤優と鈴木宗男、北方領土交渉秘話と安倍総理への期待を語る【くにまるジャパン】

投稿日:2017年10月21日 更新日:

2016年10月21日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏と鈴木宗男が、北方領土交渉の経緯と安倍総理の決意を語った。

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安倍晋三総理大臣は2016年8月31日、鈴木宗男元衆議院議員と官邸で会談し、今年12月のプーチン大統領訪日の詳細な日程について調整する考えを示しました。

鈴木宗男バッシングのせいで北方領土交渉を知る人がいなくなった

(野村邦丸)この件で表の話では、鈴木宗男さんが安倍総理と会談した回数は6回。現在は鈴木宗男さんが、北方領土返還に関して安倍総理のアドバイザー的な役割と考えれば良いんですか。

 

(佐藤優)(北方領土交渉の)全体像を知る人が少ないんですよ。どういうことかというと、小泉政権時代に田中真紀子さんが登場して、鈴木宗男疑惑あったでしょ。あの時までは外務省と鈴木宗男さんは一体となって北方領土交渉を行っていた。いわば外務省のほぼ全員が鈴木宗男派だった。

ところが鈴木宗男バッシングが始まって、外務省が鈴木宗男さんと関係があるという証拠を消していくんですよ。外務省が出していてる「われらの北方領土」という雑誌があります。鈴木宗男さんが失脚した後、鈴木さんの名前を全部消していくようなを事する。だから結構書類も消してるんですよ。そうすると、本当に何があったかを知ってる人が以外と少ないね

これ初めて話すことなんだけども、本当の全体像を知ってる人、外務省の関係者あるいは鈴木宗男さんと敵対した人たちに、小寺次郎さんいうと人がいた。外務省のロシア課長をやっていて(イギリスへ左遷になったが)田中真紀子さんと握ってロンドンから一日で来て帰ってきた人いましたよね。小寺さんは今、メンタルが大変な状態になって外務省をリタイア。

それから昔、鈴木宗男さんが外務省の官僚を船の中でぶん殴ったといった記事がでましたよね。その記事で鈴木宗男バッシングが激しくなった。加賀美正人さんと言う人で、この全体像知ってる人なんですが、内閣情報室調査室に出向しているときに練炭自殺。

或いは北方領土問題で大きい事をやって怪我をして再起不能にになるとか。

そういう形で今、外務省の中で当時の全体像を知ってる人がいなんです。

そうすると、全体像を知ってる人は鈴木宗男さんか(元外交官の)東郷和彦さん。私も断片は知っていますけどね。

安部総理は、本当に何があったの正直に教えてくださいということなんですよ。

森総理大臣の北方領土返還のチャンスを田中真紀子と川口順子が潰す

例えば、これは秘密ではなく森元総理が産経新聞に話したのだから僕も話せるんだけども、2001年の3月に北方領土が本当に近づいてきたことがある。歯舞群島・色丹島返還の具体的な手続きの話をしましょう。国後島・択捉島に関しては、日本のものかロシアか、どちらのものかを車の両輪のように同時並行的に話して行きましょう。こういうような提案をしたんですね。

そしたらプーチンは身を乗り出してはロシア語で「パドーマイム」と言ったんです。日本の記録では「承っておく」となっているんだけど、ロシア語を直訳すると「我々の方で少し考えてみる」ということなんです。

その1か月後に当時の東郷和彦外務省欧州局長が密かにモスクワに行く。そしてロシアの外務省のロシュコフ次官にこれでやれるかと(聞いた)。ロシュコフさんは「やれる」と言うわけ。少し時間をくれと。そうしたら、2年から3年で歯舞群島・色丹島は日本に帰ってくるはずだったの。

それで鈴木宗男先生、色丹島一島のインフラを根室市並に整備するでいくらぐらいかかりますかね?

(鈴木宗男)黙っていても5000億円くらいかかりますよね。

(佐藤優)大変な額のお金を入れて、(先行返還された色丹島の)開発を始めるでしょ。そうすると色丹島の人達の生活はぐっと良くなりますよね。それを見た国後島や択捉島の人は、色丹島みたくなりたいと考える。だから、残り2島の協議をしている間に住民感情は日本返還に賛成していくというのが僕らのシナリオだったんですよ。

ですから2、3年で歯舞群島と色丹島が帰ってる。その後は5年くらいで国後島、択捉島も日本返還をめざす。この様な事を考えて、ようやく乗り出したという所で田中真紀子大先生が来られてしまって「田中ブレジネフ会談が原点です。森元総理は何をやってたんですか!」から始まって、大変なことになった。

最後にNGOの問題で事実と違うこと言って、それで野上義二(元外務事務次官)が辞めて、田中真紀子さん辞めて、鈴木宗男が議員院長を自発的に辞めて三方一両損みたいな感じになったんだけど、あの時の世論は、田中真紀子さんに同情的で鈴木宗男を許さない、やれってことになった。

それで私がまず捕まって、鈴木宗男が捕まる。それで(後任の外務大臣の)川口順子さんと言う人が四島一括返還だと言って、せっかく領土返ってくる提案を断っちゃったの。ところが日本の外務省のやつら!安倍総理や岸田外務大臣にロシアが断ったっていうインチキの説明してる。

 

(野村邦丸)え!今の外務省が!

(佐藤優)そう。でもわざと嘘をついているのではなく、記録を抹消したりしてるから。今の若い人たちには分からないんですよ。

安部総理と鈴木宗男さんが会った時、非常に重要だったのは、過去に何があったかというのがポイントだと思うんです。鈴木さん、本当のことを教えてください。

ブレない政治家は森喜朗と安倍晋三だけ

(野村邦丸)鈴木宗男さん、その通りなんですか?

(鈴木宗男)安倍総理はお父さんの慎太郎先生の秘書もやった。あるいは外務大臣の秘書官もやっている。ソ連時代の経緯はわかりますね。もっと重要なのは北方領土が一番近づいた平成13年3月25日イルクーツク声明ですね、

(野村邦丸)イルクーツク声明とはどういう内容なのですか。

(佐藤優)いまのはイルクーツクの秘密提案で、イルクーツク声明の方は、1956年の日ソ共同宣言を交渉の基盤にするって言うこと。それと同時に1993年10月の東京宣言で四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する。すはわち 歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の4島が日露どちらのものか。

可能性としては日本4ロシア0、日本3ロシア1、日本2ロシア2、日本1ロシア3、日本0ロシア4の5通りの場合があるんですね。そのうちのどれかに決定しようとしたわけです。

(鈴木宗男)安倍総理は佐藤さんが説明しイルクーツク宣言のときは官房副長官で立ち会ってるんですよ。このとき私も森総理に呼ばれて首脳会談にも出て立ち会っているんですね。そのような経緯があります。

今から14年前、当時の安倍晋三官房副長官は、鈴木宗男バッシングがあった時も、鈴木先生のやってきた態度、外交政策は政府の方針で何も間違っておりませんと、いつも記者会見等で言ってくれた方で、安倍首相はしっかりた経緯認識はしてるんですね。

(佐藤優)あの当時からブレなかった政治家は2人だけなんですよ。森喜朗元総理と安倍晋三総理。この二人だけは北方領土問題で一度もぶれていない。ただし、正確な情報が入ってない側面がある。

 

安部総理の決意は本物

 

(野村邦丸)安倍総理にも外務省から正確な情報が入っていない可能性がある。だったら鈴木宗男先生に来てくださいということで6回お会いになったわけですよね。

 

(鈴木宗男)実はこれも前段がありまして、2016年12月20日に内閣制度発足130年の式典があったわけです。この時、歴代の総理、官房長官副長官が出てて、終了後に安部総理から「鈴木宗男先生、たまに官邸に来てくいださい。いろいろ話ししたいことあります」と言われたんです。私は「喜んでいつでも行きますよ」と言ったら12月28日 来てくださいと。

(野村邦丸)すぐですね。

(鈴木宗男)1時間とりますからと。1時間も何を話すのかと思いましたね。

(佐藤優)総理大臣との時間を15分とるのも至難の技。これ1時間ってのは大変な話なんです。

 

(野村邦丸)1時間どんなことを話しました?

(鈴木宗男)ロシアの話しです。来年は 1956年の日ソ共同宣言から60年の節目の年だと。なんとか日露関係を前向きにやって行きたいので、協力いただきたいと。私の方も喜んでと。とても情熱的で魂のこもった話でした。

 

(佐藤優)安倍総理の腹はどうですか。解決するためには、こっちも譲歩しなければならないですからね。そうしたら逆風も吹いてくるかもしれない。その腹は固まってますかね。

 

(鈴木宗男)固まってますね。安倍総理は戦後70年で一島も帰ってこない。元島名はも80歳を超えて人生限られてる。人道的にも歴史的に打って出なければいけない、解決しなければいけない話で、私は胸を打たれました。

(佐藤優)それで重要になってくるのは、日本政府は嘘はつかないんだけども、特に外務省は本当のことを全部言わない場合がある。例えばじゃんけんについて説明しますよと。グーよりもパーが強くて、パーよりもチョキが強いとだけ説明したら?

(野村邦丸)グーとチョキが抜けていますね。

(佐藤優)チョキを出しますよね。そしたら実はチョキよりもグーの方が強かったと後から説明する。外務省はそういう様な所があるんです。

(野村邦丸)鈴木宗男さんもその昔は随分とご苦労されたのでしょう?

(鈴木宗男)私は国益を考えて、領土問題解決が日本の為になると思ってきましたけどね。時の政権に私は抵抗勢力と言われました。 小泉元総理、田中真紀子さんは「改革」と言ってヒーローでしたね。私はむしろヒールの代表みたいな形になってね。

しかし、あれから14年経ってまっとうな日露関係に戻ってきた言うのは良しとしてるんです。

 

(佐藤優)この前、杉山晋助外務次官と会われたと聞いたんですけど。私の最も尊敬する外交官でこの前、特別な本出したくらいですから。

(野村邦丸)その真逆なんですけどね。

(鈴木宗男)17日に日露フォーラムがあって、1956年宣言を記念してロシア大使館でのレセプションがありました。その時に杉山さんが丁度モスクワから次官協議を終えて大使館に来ていましたね。

(佐藤優)指輪沢山していました?

(鈴木宗男)いや指輪は見えませんでした。

(佐藤優)最近は2つになった、昔は8つしてたんだけれどもね。

(野村邦丸)指輪の意味はまた後日改めて。

歯舞・色丹2島はまず引き渡す。国後、択捉に関しては車の両輪のようにやってくんだってきて、積み木をあと一つ山の上に積めば大きな成果が得られたところが、宗男疑惑など一連の嵐の様な中で、北方領土返還がゼロベースなった。これが今、また最後の積み木を1つ積み重ねれば完成の所まで来ていると。

(佐藤優)ただし、前の所までは行かない。1回流れちゃったからそのまま行くことはない。だから国後・択捉に関しては我々が昔考えてた行動は取れない。どうしてかというと、あの頃は4島の日本化を一生懸命やってたでしょ。あれは人道支援と言うことで行ったのだけれども。

今、本音を話せるというのは悲しいことなんだけども、その可能性が無いのだら。

日本に依存させようとしてたんですよ。ディーゼル発電所を置く、津波の避難施設、ムネオハウス。こんな立派な建物があるんだよ、プレハブだってこんなの作れるんだよってこと示して「日本に返還になったら良いな」と住民に思わせるってことだったんですよ。ところが川口順子さんの時にインフラ整備は一切しませんと。そんな事をやるから鈴木宗男事件が起きるんです、一切ダメです。それでやらなくなったら、ロシアが自分でやることになって、全然日本の影が無くなっている。

 

(野村邦丸)今度12月にプーチンさんが来日します。山口県で安倍プーチン会談があります。

最終的にはお話になった2島先行返還ですよね。残る2島については以前のように両輪で行けるような、二人の会談のスピーチは出そうなんですか?

(鈴木宗男)安倍総理は解決をしたい。国益の観点から、100点満点でなくても国民に理解してもらえるところでお互い妥協する、あるいは歩み寄る。自分もリスクは負う。ロシアの国民の8割は一島も返すなと言っているんですから。

譲歩するならプーチンさんもリスク。お互い二人でリスクを負いながら折り合いをつけるという腹積もりはしていると。

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返還後、北方領土に米軍基地は作らせない

 

(野村邦丸)そこで佐藤優さんが指摘していたのは、日本はアメリカと日米安全保障条約結んでいます。日本の施政権、国土の中にはアメリカ軍の軍事施設を作ることがOKとなっているわけですよね。

歯舞、色丹が日本に返還されることになってきた時に、アメリカ軍の何らかの施設を起きたいと言った場合は、安保条約有るわけですから。これが許される。ところがプーチンからすると目の前の元領土に米軍が来るのは「ふざけるな」となる。ではどうするか、これちゃんと手打ちはできるのでしょうか。

(鈴木宗男)これ簡単です。安倍総理が絶対置かないと言えは良い話です。

 

(野村邦丸)歯舞、色丹島には置かない。そこで佐藤優さんがおっしゃったのは、アメリカ側が「そういう風なら、尖閣もそうなのね」という事にならないか。

 

(佐藤優)なる可能性十分あります。ここは外務省がこういった爆弾が埋まっているにならば、その地雷除去をするのは外務省の仕事なんだけども、そこやってるとは思えないと。そこちょっと心配ですね。

 

(鈴木宗男)もう一つ。もし尖閣はアメリカが手を引きますよと言って困るのはアメリカなんです。何故沖縄に駐留米軍がいるかというと、中台関係をずっと見ていたのですよ。

その間、湾岸戦争や中東の不安定があるから沖縄から向こうに出た方が地政学的に条件が良いものですから。アメリカは絶対に沖縄へ残って極東の安定に帰すると言っていますけれども、安保条約が関係ないよといったら、エネルギーを無駄にするにはアメリカであることは知ってますからね。きちっと日米同盟信頼関係あるんですから説明すれば分かってくれる話です。

(野丸村邦)政権交代もあるわけですけども、プーチンさんも重々分かっていて、安倍総理上手くやれよという事ですか。

日本は過去、国後島と択捉島を放棄している

(佐藤優)そうなってくると思いますよ。もう一つ強調しておきたいのは、日本政府特に外務省が言わないといけないのは、日本は1951年のサンフランシスコ平和条約で国後島と択捉島を一回放棄したことがある現実ですね。だから国後択捉に関しては復活折衝だって。これなんで言わないんですかね。

 

(鈴木宗男)これを私は不思議でならないのは1951年のサンフランシスコ講和条約で 吉田全権総理は千島列島・南樺太を放棄しているんですね。国後・択捉も入っているんです。それは国会でも西村熊雄という当時の条約局長、条約の一番の専門家ですよ。その方も左様でございますと答弁してるんですよ。

(佐藤優)総理の前で答弁しているんですから

(鈴木宗男)それをきっと今の国会でも理解しなければ。国民の多くの皆様も知らない。外務省は戦後の枠組み、経緯をきちっと国民に説明すれば国民の受け止め方も違ってくると思います。

 

北方領土返還に人生を賭ける

 

(佐藤優)もしこれで北方領土返ってくるのであれば、鈴木宗男さんは437日、私は512日中に入って、鈴木宗男さんはその後刑務所に1年間行ってそれで今も公民権停止で、私も11年間裁判抱えてたわけなんだけれども、その意味もちょっとあったって感じしますよね。動いて欲しいですよね。

(鈴木宗男)なんとかここは解決してほしい。安倍総理はやってくれる。必ず国益の観点から安倍総理は決断されると。私も見ていますね。

 

(佐藤優)本当にあの時、僕は命を捨てても良いと思いましたものね。

 

(鈴木宗男)12月実際に安倍プーチン会談があって、100店満点の結果が出ないにしても、北方領土4島一括返還は難しいというのは分かってきました。でも2島帰ってきました。その先には何があるんだって言う事については。

(佐藤優)鈴木宗男さんから僕が学んだのは、絶対に4島を諦めたらいけないってことなんですよ。それを100年掛けてでもやると。そのために現実的にやれと。

鈴木宗男さんほど4島返還に拘っている人はいないですよ。

(鈴木宗男)私も権力闘争に巻き込まれて14年前にバッシングを受けたけれども、今、安倍総理は現実に即した対応をしている。私は、外交は相手がある。日本が100点でロシア0点は無いんです。やっぱり50点50点。知恵を出せば解決できる。

〈書き起こし終わり〉

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