作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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トランプ大統領の不確実性が北朝鮮との緊張を招く

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2017年5月5日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏がアメリカと北朝鮮の緊張関係について語った

北朝鮮国営メディアの朝鮮中央通信が肩書きのない個人名の論評を3日付で発表する形で、中国を非難しました。北朝鮮が中国を直接批判することは極めて異例のことです。論評は、北朝鮮の核ミサイル開発を巡り、中国がアメリカと歩調を合わせることに強い不快感を示しています。

米中首脳会談を受けた中国から北朝鮮の圧力は効いている

(野村邦丸) 北朝鮮はいよいよ中国にも噛みつき始めたということですか。

(佐藤優) というか、中国側の姿勢が変わったのですよ。4月7日でトランプさんと習近平さんが会談したでしょ。あの時の日米首脳会談で、北朝鮮に本格的な圧力を中国がかけ始めたんですね。

北朝鮮の側がヒントになること言ってましたよ。この評論の中で「朝鮮と中国の友好がいくら大切でも、生命も同然の核と引き換えにしてまで哀願する我々ではない。」裏返していうと、(中国が)北朝鮮は核開発を止めろと言ってるわけですよね。そこまで中国は圧力かけてるということです。

無署名の論文は国家の意思表示

今回のこの架空の名前、肩書きのない人名をどう見るかということなんですね。ソ連と良く似ていると思います。ソ連の場合は例えば共産党機関紙のプラウダで一番重い論文は無署名なんです。そのままソ連共産の立場、すなわち朝鮮労働通信は国営ですから無署名というのは国家なんです。

それで役職がついてる、例えば朝鮮外務省スポークスマンや外務大臣とか、それによってランクが変わってきますよね。だから人の名前だけが付いて肩書がついていないというのいは、無署名までは重くないんだけども、肩書が付いている人よりは重いです。

(野村邦丸)(上から)二番目ということですね

(佐藤優) 相当怒っている時です。(中国は)深刻に受け止めろ、我々は本気だぞという感じですね。ただ反応を示しているといのは、アメリカに対し、中国は本当に圧をかけてきている。それで我々(北朝鮮)も結構参ってきているから、その辺理解してほしい、というメッセージがありますね

公に非難することはアメリカへのメッセージ

(野村邦丸) それは北朝鮮側が裏読みてくれよと

(佐藤優) その通りです。要するに平場でこれを出すというのはアメリカにちゃんと伝わるようにということなんですね。

中国を経由した形の圧力というメッセージは了解してたいいうキャッチボールですよね

トランプだから緊張が増した

(野村邦丸)そもそも論に帰ろうと思います。以前佐藤優さんが「朝鮮半島情勢はこんなに緊迫するようなファクターはなかったはずだ」と。何故こんなに緊張状態になってしまったのか

(佐藤優)それに関して謎解きは2通りあるわけです。(1番目は)緊張が無い所でアメリカや日本の安倍政権が煽ったと。本当は何も無い、そこで煽って日本人だけが踊ったんだって言う見方ね。2番目はある時期急に緊張が高まったけど、とりあえず今は軟着陸陸してる。私は2番目です

何故起きたかって言うと、トランプ大統領の予見不能性ですよ。金正恩はいつもと同じような変なことしてるの。今迄はその変なことを軽く流してたのに対して、トランプは本気で噛み付く気勢を示した。

やっぱり危険な瞬間はあって、あの時中国との交渉がきちんと行われた。もう一つは、4月16日のミサイル実験が失敗した。この二つのことがあるから沈静化したと見ている。

状況によっては韓国からアメリカ人が逃げ始めてたかも知れない。全員逃げるなら2週間ぐらいかかりますからね。すると緊張は物凄く高まった。

(野村邦丸) あの米中首脳会談の中で習近平さんがトランプさんにに対して、中国から北朝鮮の圧力は理解した。でも習近平さんがドライブさんをなだめたりしなかったのでしょうか。

(佐藤優)なだめていると思いますよ。お互い大人な対応をしようと。今回の北朝鮮の反応というのは、中国が真面目に働きかけをやってるってことの証拠ですよね。

(野村邦丸)でも今の話だとトランプさんが原因なのですよね。トランプさんが 前のオバマさんの様にあまり動かなかったってことだったら今のような緊張状態はなかった?

(佐藤優)なかった。

(野村邦丸)トランプさんは北朝鮮と決着つけようと思っているんですか

(佐藤優)いや、決着を付けようとしているのではなくて、北朝鮮の威嚇に対する反応という感じの事が大きいと思います。「この野党、生意気だな」と。こういう感じだと思いますよ。

(野村邦丸)困ってしまいますね。

(佐藤優)あまり国際政治が慣れてないでしょ。強く来るものは強くと押し返すんだとか、こういう感じですよ。

(野村邦丸) トランプ政権の閣僚とかも「またやったか」と気にしている。

(佐藤優)そういう事です。基本はカッとしたと。

国連軍司令部は今も日本にある

もう一つ。朝鮮半島は国際法的には実は朝鮮戦争まだ終わってないですからね。あくまでも停戦協定で平和条約は無いので、戦争はまだ続いてますから非常に危険な訳ですよ。

(野村邦丸)びっくりしたのですけど、朝鮮国連軍の本部が今、日本にある。米軍の横田基地の中に朝鮮国連軍があります

(佐藤優)時々オーストラリアの軍艦が日本に入ってくるのですよ。国連軍の一員という立場で。

(野村邦丸) 横田基地にある朝鮮国連軍後方司令部には今オーストラリアの空軍大佐のジャンセン司令官他3名が常駐している他、オーストラリア・イギリス・カナダ・フランス・トルコ・ニュージーランド・フィリピン・タイの駐在武官が朝鮮国連軍連絡将校としてそれぞれ東京にある各国大使館に常駐しているという。日本にある訳なんですね

(佐藤優)そうなんですよ。朝鮮戦争の時ソ連は、当時台湾が中国の代表権を持っていた事が不満で国連安保理に出てこなかったんですよ。ソ連は出てこないなら拒否権を発動出来ないうちに国連軍が出きちゃった。国連全体のコンセンサス得られていない、事実上のアメリカ軍ですよね

面倒なのは1953年に朝鮮休戦協定が結ばれた時、北朝鮮と中国、あと国連軍としてアメリカは署名しているんだけれども、韓国は署名してないの。

(野村邦丸) なぜ韓国は署名しなかったんですか

(佐藤優)だって当時の韓国の李承晩大統領が拒否したの。推定するに、板門店という場所が嫌だったと思うの。

(野村邦丸)38度線ですよね。

(佐藤優)実はこの38度線と軍事境界線で微妙にずれてるでしょ。朝鮮戦争が始ま時はケソン、板門店というのは韓国領だっのですよ。それで停戦後のラインを引いたら北朝鮮領になった。自分が戦争より前の持ってたところを取られたから不満ですよね。李承晩は勝てないと駄目だと、これぐらいの気持ちを強く持ってた。いろんな要素があってサインしてない

それから現在、韓国はこの朝鮮休戦協定それから今後の平和条約を作る当事者じゃないんですよ

(野村邦丸)同じ半島にある国で戦後60年ぐらいたってるプレーヤーじゃないままずっと来てる

(佐藤優)そう。あと日本もプレーヤーじゃないでしょ。でも日本に朝鮮国連軍の司令部あるわけですよね

(野村邦丸) 北朝鮮の側から見た司令部は日本にある。当然それは北朝鮮と敵対している国連軍の本部だから。

(佐藤優)朝鮮半島有事になったら、日本は攻撃対象にるわけですよね。

緊張は常に有るんですよ。今回はトランプ大統領を国際社会もアメリカ国内もみんな押さてたからとりあえず収まった。しかしまたトランプさん吹き出すかも知れない。

トランプさんという人の不確定性、これが非常に大きいですよね

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