作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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【佐藤優】アメリカのトランプ下しは田中真紀子騒動と同じ?!【くにまるジャパン極】

投稿日:2017年7月14日 更新日:

2017年5月19日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏がアメリカ官僚のトランプ大統領下しと、田中真紀子騒動の類似を語った。

複数のアメリカメディアは6月16日、トランプアメリカ大統領がロシアに漏らしたとされる機密情報について、イスラエルがアメリカに提供したものだと伝えました。アメリカは、イスラエルの了解を事前に得ておらず、両国関係に打撃を与える可能性があるということです。アメリカのトランプ大統領は、ロシアのラブロフ外相との会談で、ロシアに対してIS イスラム国に関する機密情報を漏らしたとされています。一方、プーチン大統領はアメリカ世論を批判。ロシアとの関係改善を模索するトランプ政権を妨害するアメリカ国内の動きに苛立ちを表しました。

(野村邦丸) この会見の模様ってテレビのニュースでも伝えられてましたけども、あのプーチンさんはこう言ったと同時に、プーチン政権の閣僚も笑ってたんです。

(佐藤優) 重要な情報は貰っていないよと言ったということですよね。というかこれはプーチンからラブロフ批判なんですよ。

大統領・総理大臣に守秘義務違反は無い

(野村邦丸)イスラエルがアメリカに提供した情報を、トランプさんはロシアに教えたということは、法律的には問題ないと

(佐藤優) 全く問題ないです。日本の内閣総理大臣でも、トランプ大統領でもプーチン大統領誰でも行政機関の長ですよね。行政機関の長と言うことは、例えば日本だったら内閣情報調査室、いわゆる公安警察、公安調査庁、外務省の最終的なトップは内閣総理大臣です。そうすると秘密を解除する権限があるわけです。だから大統領とか首相には秘密漏洩は無いないんです。

(野村邦丸)言っても良いわけですよね。

情報の基本ルール「サード・パーティー・ルール」

(佐藤優) 大統領が判断して、言う必要があったと思ったら秘密ではないんですよ。そんなことなら、外交会談なんて全部極秘の話ばっかりですよ。それ全部、秘密漏洩になるんですか?マスメディアが、機密漏洩としてこの問題を扱っているのはレベルが低いですね。問題は秘密漏洩ではないんです。ちょっと業界用語になるんですけど「サード・パーティー・ルール違反」。

「サード・パーティー・ルール」とは「第三者に対する原則」なんですね。インテリジェンス、情報の世界では完全に確立してる。

サードパーティルールとは、例えば日本がA国から北朝鮮の核開発に関する秘密情報を入手したとする。日本は同盟国である米国にこの情報を伝えたい。しかし、日本は勝手にこの情報を伝えることはできない。

伝えたい場合は、事前にA国から明示的に了解を得る。それから情報を米国に伝える。A国が拒否した場合は、日本はこの情報を米国に伝えることができないこと。

クーリエジャポン佐藤優「知のショートカット」vol.26

ビジネスをやっていて、情報に関係ある皆さんもこのサードパーティールールを守るようにすればガンガン自分のところに情報入ってくることになる

あいつの所に情報を与えても絶対に情報漏れはないっていう証拠にならから。必要な時に必ず了承を求めてくる。だから著作権をいつも保護しますよって言う、こういう事ですね。

トランプ大統領にはインテリジェンスの基礎が無い

(野村邦丸) ところが、今回トランプさんがやらかしたのは、イスラエルから得たISの情報を、これ今度ロシアにも伝えますよと言う仁義を通してないってこと。

(佐藤優) 全然通してないないってこと。だから多分、(トランプ大統領はサードパーティルールを)知らなかったと思うんですよ。

(野村邦丸)その事自体。

(佐藤優) 大統領を目指すような人はインテリジェンス情報のことはきちんと勉強しますからね。それは入り口で教えてくれることなんですよ。ところが、それを知らないから間違ったという話だと思うんです。

そもそも大統領の首脳会談って機密の話ばかりだから。何が漏洩で何が漏洩じゃないとするのか。法律でもあるのかぞうじゃない。法に反するのではなく、掟に反しているんです。

(野村邦丸) 法律ではなく掟。

(佐藤優) 業界慣行に完全に違反してるって言う事なんですよね

(野村邦丸)イスラエルとの関係も悪化するんじゃないか

(佐藤優) イスラエルとの関係は全く悪化しないですよ。おそらく同じ情報をプーチンは持ってたと思います。イスラエルとロシアはそれぐらい深いんですよ

それからもう一つ考えないといけない事は、ロシアは横流しにする時に必ずサードパーティルール守りますから、アメリカに相談しますから。その辺のところも報道がやっぱりずれてるんです。

アメリカの高官がトランプ大統領下しを始めた?!

そうすると何が問題かって事なんですね。CIA長官が(トランプ大統領に)「この前の会談自体は素晴らしかったんですけども、あのイスラエルの情報流したのは不味いんですよ」「サードパーティールール違反ですから」ということ言えばいいのに、CIAの関係者がトランプさんに直言はしないで、全部マスメディアに流している。これこそ秘密漏洩です。

トランプからすると「一体どうなってるんだ⁉︎ 」と。「俺何か掟破りをしてるようんだ。以後気をつけるけど。なんでそんな話、俺新聞で知らなければならないんだ⁉︎ 誰が喋ってるんだ!」こう言う話になっているんですよ。

日本に良く似ている例があるのですよ。田中真紀子騒動。田中真紀子さんが外務大臣当時、外国の代表団と会談した後、こんな変な話しをしたというのが、どんどんマスコミに出てきたでしょう。あの時と似ていてますよね。

今、思い出した。飯村豊さんという人がいるの。田中さんの時に外務省の官房長だった。ところが国会でガンガンやられて官房長辞めて、官房審議官になったのね。

(野村邦丸)格下げになった 。

官僚VS政治家の戦い

(佐藤優) そう。それに対して恨みを持って秘密部屋を作って、そこで田中真紀子氏の行状とかいう怪文書を作って、それを政治家やマスコミに流すこと組織的にやってたの。その業績を高く評価されてね、田中真紀子失脚後、フランス大使になったの。こういう人いるんですよ。

これと同じことが起きてるわけ。これは明らかに国家公務員法違反、外務公務員法違反 。お縄になって刑務所いかないといけない話ですよ。でも、そういうのを役人は必要となるとやるわけ。

(野村邦丸) 外務省の人間がトップおかしいぞ、これヤバイぞ。

(佐藤優) 飯村さんはじめ当時の外務省幹部の論理としては、田中真紀子を外さないと国益が既存されると。強い意識だった訳です。特にね、9月11日にアメリカの国務省が特別な避難場所に行ったでしょ。これは極秘中の極秘なんですよ。(田中真紀子が)「さっきアメリカから連絡があった」と記者たちに漏らしたんですよ。

記者が真っ青になって書かなかったんですよね。こんなこと書いて日本初の記事が原因でアルカイダからの攻撃を招いたらどうなるか

(野村邦丸) 9.11のテロの時ですよね。その時アメリカの国務省、日本でいう外務省の避難先を真紀子さんが全部バラしちゃった。

(佐藤優) それで記者もびっくりしてね。これ書いたら攻撃される可能性がある。そうしたら大変なことになりますって言うんで、新聞記者たち書かなかった。

それで後で別の書き方をして、田中真紀子さんがそういった秘密事項を漏らす、日本の国益を毀損するということで深刻な問題になっている、という書き方したんです。

だから逆にそれだったら田中さんをとがめれば良いわけですよ。そうせずに、どんどん外に流して、いかに外務大臣としての資質に欠けるかと。

後、鈴木宗男さんにお願いしてね。それこそ毎日のように飯村秘密室から機密情報を持ってきたんですよ。同じようなことアメリカ人もやってるんでしょう。

(野村邦丸) ワシントンではそれが起こっているという事ですか

(佐藤優) そう。だから田中真紀子騒動画がワシントンで起きてると考えれば、だいたい間違いないと。

トランプ大統領の首をとることがアメリカの国益に繋がると考える人達

(野村邦丸) (トランプ大統領は)コニーFBI長官を更迭しました。その時共和党内からも「トランプ大統領は何をやってるんだ」という声が随分高まった。その中で特別検察官をアメリカの司法省が任命しましたね。

(佐藤優) 日本で言うと、特捜検察みたいなもんですよね。

どの国も検察というには司法省あるいは法務省の枠の中に入ってるから。その意味では究極的には法務大臣の指揮命令の下にあるんだけども、実際には触らない。独立性を担保するっていうのは非常に強いですね。

その特別検察官に任命された人からすればね、ここで業績を上げて、もしトランプの首を取れば一生安泰ですよ。大統領の首を取った法律家っていうことで大きい弁護士事務所を構えて一生安泰で飯食ってけますよ。ところこけちゃったらね、何こいつ。 腕良くないじゃないと。こんな感じになる。

(野村邦丸)10年 FBI長官をお務めになっていて、それで本体イッチョ上がりだったんだけど、今回特別検察官を引き受けたということは(トランプ大統領を)取れるというような、自分のキャリアになるぞっていう自身があったんですかね。

(佐藤優)いや、というよりも(トランプ大統領を)絶対にとってやる。これは始末しないと、アメリカの国益になる。ぐらいのこと思っていますよ。

だから…心臓麻痺で死んだりしてないといいですけどね。

(野村邦丸)…また怖い話。

 

各国はアメリカに情報を流さなくなる

今回、アメリカのCIA 中央情報局と NSC 国家安全保障局は、今まで掟を守って国内外でいろんな活動やってきた。そういう組織が、ドナルドトランプはマズいよということで、手を組んだという事なのですか。

(佐藤優) これは FBIも含め全部手を組んでますよね。これ情報屋からすると考えられない事が起きている。仕事で出来なくなっちゃうところでしょと。

実際、怖がった各国は、アメリカに情報を間引きして送るようになる。しかも、その間引きした情報は大統領にあげないでと、 そいうい条件までつけて送りますよ。

だって、田中真子騒動の時もね、外務省で諸外国の情報機関の私も窓口でしたから。そこから情報を貰うでしょ。「田中真紀子さんとその側近にはあげないで」という条件を必ず言われましたもの。

(野村邦丸) へー。それが今ワシントンで行われてると言う事なんですが、ロシア側はゆるゆるトランプ体勢の方がありがたい話なんですか?

(佐藤優)ありがたいのですけども、全ての悪事を働いていてるはロシアだという話しの組み立て方なので迷惑千万。たしかに悪事は働いてますけど、いつもやってる範囲の話でね。

(野村邦丸)あはは、今始った話ではないと。

(佐藤優) 今迄やっている程度の悪事を巨悪のように言われるというのは極めて迷惑であると。たしかに何もやってない訳ではないけど。こんな感じでしょうね。「私も悪人ですよと、しかしそこまでの悪人じゃないでしょ」と。こういうのがロシアの言い分でしょうね。

悪いトランプ大統領のイメージが作られている

(野村邦丸)特別検察官が徹底的にやるとなってきて、司法省官に対してもとやかく言われる筋合いじゃない話ですよね。

(佐藤優) FBIとCIAが全面協力しますから、(トランプ大統領の)悪い話を次から次とを持って行きますからね。こんな悪事やっていると。だらもう本当に悪事の塊みたいなのトランプ像ができますよね。

(野村邦丸)議会で弾劾が成立すると、大統領としての地位がなくなる可能性も出てきますか。

(佐藤優) そうですけど、今の議会の構成だったら無いとみんな言ってますアメリカは基本的に民衆の国だから世論なんですよ。メディアとインターネットも含めて、トランプ大統領は酷いってことになると、それぞれの国会議員も自分の次の選挙ありますからね。その生き残りでトランプと付き合った方が良いか、付き合わない方が良いかと考える所までなると、揺れますよね。

鈴木宗男派の国会議員は、全員鈴木氏の辞職に賛成した

これもまた田中真紀子さんの時代に帰りますけども、鈴木宗男さんは自民党内で盤石な立場を持っていたじゃないですか。むねむね会という、派閥横断的な事実上の鈴木宗男派って十数人いたでしょ。それで鈴木宗男さんの議員辞職勧告決議が出てた時にこの人たちのうちの何人ぐらい反対したと思います?

「ゼロ」

全員賛成でハイって起立して。そんなもんですよ。

逆の立場で、出世に利用しようとする官僚が出て来る。

それ同じような事が起きるのかどうか。でも逆にこれはチャンスなんです

今の FBIとCIAの幹部たちが反対って頑張ってるでしょ。でももしトランプが勝てば、この上は全部なくなるんですよ。そしたら中堅が上の登ってくるわけ。そこで勝負かけるやつが出てきますね。

それで逆にトランプ側に「反トランプでこの幹部がこういう動きをしてますよ」。こういうチクリをやる。これ外務省の中でもいました。外務省の中でも主流から外れてるのが、田中真紀子さんの所に情報を流して、それで自分の覚えを目出たくすると。人間の世界は全部同じだからね、 同じような事が起きるんです。

トランプ大統領は予算と人事権で対抗する

半年間トランプが頑張りきって、トランプ派をCIA になりFBIに作れば トランプ勝ちますね。現職は予算と人事権を持ってますから。これをフルに活用せれば、やりたいことは大体できるんです。

これもやっぱり外務省の事例を思い出して欲しいんですけども、あれほど田中真紀子さんのことでブツブツ言っていたのに、1年後の時点では外務省の中で田中真紀子派は確実にできていましたからね。

だからそれを最後の勝負で(田中真紀子氏を)追い出すって言うことで、鈴木宗男さんを最大限活用して、一連のNGO騒動と最終的は総理の判断でしか切れなかったわけですから

長くいると必ずトランプ派ができるんですよ。ですから時の流れはトランプに有利なんです。すると(反トランプ派は)短期間で毎日のようにんな酷いっていう、弾を撃ち続けることができるかどうか。それで半年以内にがらっとアメリカの世論を変えることが出来るかということなんですけど、結論から言うと私はトランプ勝つと思う。

(野村邦丸) 勝ちますか!?

(佐藤優) それは、現実に持っている権力というのはものすごく強い。それだからマスメディアを含めてトランプになびく勢力は必ずでる。

(野村邦丸) 暗闘がが始まったってことですね

(佐藤優) もう始まってる。

〈書き起こしおわり〉

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