作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

主任分析官ブログ | 佐藤優発言集

くにまるジャパン 佐藤優

【佐藤優】加計学園問題で文部科学省と内閣府の争いを語る【くにまるジャパン】

投稿日:2017年6月16日 更新日:

2017年6月16日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』で、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が加計学園問題を語った

学校法人加計学園の獣医学部新設を巡る記録文書の再調査で、文部科学省は内閣府から送信された新たなメールの存在を明らかにしました。

その中に、萩生田官房副長官が「学部新設を認める条件を記した文書の原案を修正するよう」指示したとする記載があることを認めました。

このメールは去年(2016年)11月の国家戦略特区諮問会議で、獣医学部新設を認める条件を示した文書の原案を、担当者の間で事前調整する内容です。

メールには内閣府の藤原豊審議官の発言として、萩生田官房副長官から「獣医学部が広域的に存在しない地域に限ると修正するよう指示があった」と記載されていました。

この修正によって、獣医学部が存在しない四国の愛媛県今治市で計画を進める加計学園以外の申請は事実上不可能になったと言う指摘があります。

このメールについて菅官房長官は昨日「萩生田官房副長官によれば修正の指示を出した事はなく、事実に反すると言うことだ」と述べました。

「スペックイン」という談合方式

(野村邦丸)萩生田官房副長官は安倍総理の腹心中の腹心。よくテレビでも斜め後ろに写ってらっしゃる、立派な体格の方なんですが。

この萩生田官房副長官の名前が出始めて、指示されたものでも、元々あった文章に手書きで「広域的に」と言う所と「限る」と言う2つの文言が書き加えられた。

(佐藤優)これ我々行政官は「動物農場方式」と言うんですけどね。ジョージ・オーウェルの小説『動物農場』ってあるでしょう。

(野村邦丸)あ、しりません

(佐藤優)動物農場で動物はベッドに寝てはいけないと書いてあるですよ。

豚が支配しているところなんですね。ところが、覗きに行くと豚はベッド上で寝てるんですよ。おかしいなと思って規則を見に行ったら「豚はシーツをかけたベットで寝てはいけない」って。シーツをかけてと言う言葉が入ると、それによって意味が変わるわけなんです。後から入れるんでよくやりますね。

それからね、「広域的に無い場所に限る」とうこの種のやり方は、よく談合で使う「スペックイン」という用語ですね

(野村邦丸)なんですか、それ。

(佐藤優)要するに、この部品がないと調達できませんという形のところに工事を出すんですよ。ところが1社しかその部品を作っていないと。そうしたら、実情その会社に決まると言うことですよね。

だから仕様書のところで、特定のスペックを入れておくと。スペックインしておくと事実上の談合と同じになるんです。要するにこの機材はこの会社しか作れない。そういうの入れておくとそれと。良くやる合法的な不正な一つですよね。この種のやり方は。

だから役人は普通に聞いたらやばい話だと。霞ヶ関の用語の「筋悪案件」というのは間違いないですね。

文部科学省と内閣府で責任の押し付け合い

(野村邦丸)文科省はそういう文章はないと言っていて、1回目の調査の時は確認できなかった。

今回よ〰く調査をして、出るわ出るわ。こっちが予想していなかった文章まで出てきている。後は、どうぞ内閣府の方で調べてくださいという。文部科学省と内閣の戦いのような

(佐藤優)その通りですよ。二重の構造になってるんですよ。

まず文章に関して、何故一回目出てこなくて2回目出てくるかと言うと、多分1回目の指示はこんな感じなんですよ。「この加計学園文書に関しては国会で話題になってます。メディアでも話題になって、官邸が強い関心を持っている。だから皆さん、特に誠実に仕事をしてね。無理する事は無いから」こんな指示をするんですよ。

(野村邦丸)どういう意味なんですか。

(佐藤優)要するに、探すなと言う意味ですよ。形だけ探せと。この新聞紙が出たうんこでも入ってるかもしれない。その新聞紙を見過ごせ。そういう風な指示の仕方。

(野村邦丸)見て見ぬふりしようねと。

(佐藤優)「この人の件については特に公平にとかね」とか言って、その時に「無理はしないで」とつけておくんです

(野村邦丸)無理はしないで。

(佐藤優)やらないで良いって言う事なので、みんな形だけで「はーい」と。「変な文章作った人いたら手あげて下さい、あぁ誰もいませんね」で「あ、ウチの課いません。」こういう感じで調べると。

(野村邦丸)1回目の事に関しては現役の文科官僚が「どこか記憶の中でそんな文章があったかもしれないけども、記憶があいまいなので、手を挙げるのはやめました」ということ言ってますよね。

(佐藤優)そう。

ところが2回目の時は、これはやばいぞ。このままいくと川が増水してきて、内閣府の堤と文部科学の堤のどちらかがの堤が切れる。文部科学省の堤を守れと。

(野村邦丸)堤防ですか。

(佐藤優)内閣府の堤防を切らせろと。

昔、江戸時代に、増水してくると堤防の両方にカマとか斧とか持ってみんな集まるでしょう。農民が沢山。あれと一緒ですよ。そういう状況になって、今度は徹底して、できるだけ厳しく探せと。組織の命運がかかってると。

そういうふうになったら、曖昧な記憶の人は「思い出し方教えたろか」とか言って感じで内部調査が入るんですよ。

(野村邦丸) (笑い)

(佐藤優)そうすると、どんどん出てくるんですよ。

(野村邦丸)「あ、思い出しました」とかなるわけだ(笑い)

(佐藤優)なんとなく記憶が曖昧だったら、「お前思い出し方教えたろかー」とか言ってた感じで調べると、どんどん出てきますから。後は「ウチ(文科省)は全部出しました。これ以上何も出てきません後は内閣の方でお願いします」という形だったら文科省の堤は切れないでしょう

先に告発した者は告発されず

(佐藤優)これスターリン時代の格言があるんですよ。「告発者は告発されず」だから自分が銃殺されないようにするには、誰かを早く告白すると

自分のほうの悪事を全部明らかにすれば、それは隠してる方に行きますからね。そういう文科省としては高等戦術に出てますね。

(野村邦丸)はぁー。

(佐藤優)だから一見、世の中は文科省は少し誠実になったと勘違いしてるでしょう。それ、生き残りだけ考えてる歴史なんですよ。それぐらい今回の件と言うのは、堤が切れる可能性がある位、大変だと言うことですね。

(野村邦丸)今日の朝までに徹夜で調べるということは、山本地方再生大臣も言ってるわけなんですけれども。

今のところそういうニュースは入って来ておりません。果たして内閣では、どんな感じで調べているんですか。

(佐藤優)必死になって調べてますよ、それに対応するものがあるかどうか。少なくとも文科省にあるものは対応するかどうかしかしね、そんなものヤバいと言うのは内閣府が一番分かっているじゃないですか。

私の推測ですよ。隠滅してますよ

内閣府では資料の隠蔽が行われてる?

(野村邦丸)隠滅。

(佐藤優)そうすると未だ旧来型のハードディスクのあるようなコンピュータを使ってますからね。

ハードディスクにドリルで穴を開けるまでの事をしていますかどうかと言う。そのレベルですよね。だからハードディスクからの復元をするかどうかという。あんまりそういうこと言うと「佐藤のやろう余計なこと言いやがって」と敵をつくっちゃうけど。

文章が無いと言ったって、ハードディスクとかサーバーどうなってますかとネチネチやると出てきまっせ。

(野村邦丸)でできまっせ。

野党は「質問主意書」を国会で出して真相究明できる

(佐藤優)国勢調査権ですね。国勢調査権で重要なのは、普通の国勢調査権と言うのは委員会で合意しないとけないでしょう。それは今、与党が多数だから出来ないんですよ。

(野村邦丸)うん。

(佐藤優)質問趣意書を出すんですよ。質問趣意書は国勢調査権になりますから

(野村邦丸)おぉ。

(佐藤優)あれは院の議長の名前から出て、内閣総理大臣に値しますから閣議決定なんです。だから出質問趣意書を出すとね、これは国勢調査権だから徹底して探さざるを得なくなるんです。

(野村邦丸)鈴木宗男さんはよく質問趣意書出してらっしゃるいましたね。

(佐藤優)国勢調査権だから非常に重いんです。だから野党に少し機転が働く人間がいて、この文章があるか一本ずつ質問趣意書出すんです

そしたらそれ一つ一つ閣議の決定にかけないといけないから大変ですよ。実質5日間位で答えを作らないとならないですからね。

(野村邦丸)そこまでやるかとどうかなんですけど、今現時点(6月16日9時19分)での内閣府の調査内容はまだ明らかになっておりません。

(佐藤優)ちなみにね、質問趣意書は会期が終わったら出せなくなりますから。会期中しか出せないんです。

(野村邦丸)ギリギリですね。

〈書き起こしおわり〉

-くにまるジャパン, 佐藤優

Copyright© 主任分析官ブログ | 佐藤優発言集 , 2017 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.