作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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【佐藤優】加計学園問題で前川氏の動機と官邸との対立を語る【くにまるジャパン極】

投稿日:2017年6月3日 更新日:

2017年6月2日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が加計学園問題について、前川氏の動機と官邸との対立を語った。

学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省の前川喜平前事務次官が学園理事で当時内閣官房参与だった木曽功氏から、去年8月下旬に「早く進めて欲しいのでよろしく」という趣旨の話があったと明らかにしました。これは前川前事務次官が昨日、代理人の弁護士を通じて報道各社に書面で公表したものす。この書面によりますと去年8月下旬に木曽氏と事務次官室で2人だけで面会した際、獣医学部の設置について促されたということです。木曽氏は加計学園が運営する千葉科学大学の学長も務めていることから、加計学園のことだと受け止めたと説明しています。

役人の仕事は忖度(そんたく)無しに出来ない

(野村邦丸)  千葉科学大学の木曽功さんは現在学長を務めていますが、文部科学省のOBで、前川前事務次官の3年先輩にあたる。この木曽功さんがインタビューで、獣医学問題と言うのは「巨大なる忖度(そんたく)の塊」答えてるんですけれども。元官僚でいらっしゃった佐藤優さん改めて如何でしょうか

(佐藤優)  忖度なしには役人の仕事なんてないんですよ。忖度の塊と言うのは霞が関の常識です。それを普段はですね「気配り」とか「思いやり」と言うんです。それが事件化しそうになると忖度と言う難しい言葉に変わりますが。

官邸は前川氏を逮捕したい

今回面白いのは前川さんが直接会見をやらないでしょ。逮捕を警戒してますね。国家公務員法違反、守秘義務違反での逮捕を警戒してるから弁護士を通じて法的なチェックを経ている。そうするとなかなか捕まりにくいんですよ。そういうようなところで防衛を始めてますね。ということは官邸が相当頭に来てる。この感じが前川さんに伝わってきてるんですよ。

(野村邦丸) 文化放送も最初の前川さんの会見には出席してますけど、それ以降ラジオに出席した、各新聞社のインタビューにも答えてますけども、今回の場合は佐藤さんがおっしゃったように代理人の弁護士を通じてメッセージを公表したと。

(佐藤優)ということは、この話の奥には、やばーいものが隠れてるからですねきっと。

(野村邦丸) 佐藤さん、そのやばいものとはなんですか

(佐藤優) 本人に聞かないとよく分からない。だから、度の塊レベルでは済まないような直接的な何らかの指示とか請託(せいたく)、そういうものがあるとなると、これめんどくさいですね。東京地検特捜部のお仕事になってきますから

(野村邦丸) 請託って言うと過去の疑惑事件ですね。ロッキードの時もお願いしましたと。

(佐藤優) 託しましたよと。明示的なお願いが忖度の枠じゃなくてあったとなると相当めんどくさくなりますね。いずれにしてもほんとに筋の悪い話なんです。だから何者か知らないけれども、「この男はとんでもない」と言って前川さんに対する信用失意行為が起きてるでしょ

(野村邦丸) はい。菅官房長官が人格攻撃をしてますよね。

官僚は公安に弱みを握られている

(佐藤優) それで子供の貧困や女性の貧困に大変な関心があり、それで歌舞伎町のふしぎなところに出入りされた。ただその問題について官邸がなぜその情報を流すことができるのか。というのは日常的な行為を見てると言うことですよ。どこが見てる。警備公安警察ですよ。

しかもね、官房長官が注意したんでしょ。注意して信用失意行為に当たるんだったら国家公務員で処分しないといけないですよ。信用失意行為は処分対象ですからね。

その時に処分しないというのは官邸も分かっていますよということは他にも色々な事をやっている奴がいるんだけれども、政権に対して牙をむかなければ、信用失意行為を隠してあげる。しかし牙を剥いたらばらしてやると。これだったら本当にロシアとあまり変わらないですよね。こういう雰囲気ってすごく嫌ですよね。

しかも新聞社の名前は敢えて挙げませんけれども、大変に部数が多い大手町付近の新聞社、そこの記者が前川さんの会見で守秘義務違反じゃないですかと。「それじゃお宅の新聞にはもう答えません」と。新聞記者の仕事っていうのは守秘義務に違反をさせて官僚から如何に真実の情報取るかでしょ。そうするとその大新聞はソ連共産党中央委員会機関紙のプラウドみたいですよね。そういえば何処かの総理大臣が憲法改正について、何とか新聞を読んで下さい、というような話がありましたよね。

おかしくなってるんですよ、この国の底が抜け始めているんですよ。メディアも権力もおかしくなっている。

霞が関でのヤバい文章の作り方

そこで、今回加計学園の原因となるあの文章ね。ああいう文章がどういう風にしてできるのか。これは元国家官僚だった私から初公開の情報なんですけどね。

通常お役所、例えば外務省の場合はああいう回覧文書は報告供覧と言うんです。役所によって名前違いますけど。それね表紙がついてるんです。

右側に内線番号と日付と起案者を書く。そして真ん中に主管局のハンコ、例えばロシアだったら欧州局。それで、審議官、参議官、ロシア課長、主席事務官とハンコを押す。そして回覧先で官房長とか外務審議官とか次官とか、こういうところを全部書いといて回覧したと、読みましたと言って印をつけるわけですよ

(野村邦丸) まさに回覧板と同じですね。

(佐藤優) 局長以上は外務省の場合だいたいハンコじゃなくて花押ですけれどね。

そういう風にして普通は1枚しか作らないんです。それそれで押しますから誰が見たか明らかなんです。

ところが今回こういうものを作らないと言うのは、やばい時なんですよ。やばい時に誰が見たかと言うのがわかると当事者になっちゃうから。かといってやばい話だから伝えないといけない。そうすると決済のチェック印をつけないわけですよ。

だから何人もの人にまかないといけないでしょ。たくさんコピーを作るんです。となると必ず外に流出するんですよ。それだから名前も日付も書かないで怪文書を作ると。こういったときには不正なことやっているなと言う認識を、それを作っている官僚は持ってる時なんですね。ですからあの文章の形式を見るだけで相当やばいことをしてるというのがわかります。

(野村邦丸) 回覧できないからいっぱい刷るわけですね。

(佐藤優) そうです。だから数十部(コピーを)とるでしょうね。そうしたら抜けるんですよ。回覧で一部だけだったら抜けた場合でもね、ここで抜けたっていうのがわかるわけですよ。その時にコピーとったときに決済欄でどこまでついているかでかわかるでしょ。だからそういうことをしないと言うのはいうのは相当変な時ですよね

(野村邦丸) 前川さんて今年1月まで文部科学省の事務次官まで行った事務方のトップが「共有した、私も見ましたよ」と。はっきり言っているわけですよね。

(佐藤優) 前川さんに関しても築地のほうの新聞社はこんな立派な人はいない、みたいな話ですよね。

だから根性が有るんだったら現役の時にやらなくていけないのですよ。今回やってるのも、世のため人のためと言う動機と、俺はあの話がバラさらたら失うものはないな、こういうのが混在してますよね。ただパクられたくはない。そういったところはね。あまり品の人じゃないですよ。

でもね、品がいいか悪いかじゃなくて何が事実だったかが国民にとっては重要なんですよね。

安倍政権が危なくなると、他のヤバい文章も出てくる

(野村邦丸) 佐藤さん、コピー何十部か分かりませんよ。ここからまた出てこないですよね?

(佐藤優) これから出てくると思いますよ。出てくると言う事は、この政権が危ないと言う風になった場合には、次の政権の足がかりを考えると、この政権を壊すのに貢献したのはプラスになりますよね。

(野村邦丸) それは官僚サイドにですね。

(佐藤優) そうです。だからボロボロと文章が出てくるようになると言うのは、この政権が危なくなった時です。今出てこないっていうのはまだ持つだろうとみんな思ってるからです。

(野村邦丸)  はあ、ちゃんと今風読んでるんだ

(佐藤優) 今回の前川さんに関しては個人的な動機が大きいです。「大恥をかかせてしてくれたな」と。「俺はもうこれで人生半ば終わりだ」「ならばもう失う物は無いからやってやろう」と言って覚悟してやったんだけども、逮捕は怖い。それじゃ弁護士を通じようと。こんな感じですね。

(野村邦丸)  最終的には森友とはちょっと質が違く見えるんですけども

(佐藤優)  質が違いますよ。かなり問題は深いですし、不思議な話なんですよ。

(野村邦丸)  いま霞ヶ関の各官僚、それも高級官僚と言われてる人は風を読み始めたといっても良いのですか?

(佐藤優)  いや、まだそこまでは行ってない。めんどくさいから触らないでおこうと思ってます

(野村邦丸) あー火の粉が降りかからないように

(佐藤優) はい。ただし不満分子は常にいるわけですよね。そういった連中が朝日新聞に匿名で話してるわけですよ。

(野村邦丸) ははぁ。

(佐藤優)  そしたら今度官邸は、他の新聞を使って、あの匿名のやつ誰か探せと言っているわけですよ、そしたら、「はいわかりましたワン」とか言ってる奴がいるわけですよ。

そしたら朝日新聞はもっともっと前川さんを守らなくてはいけないわけですよ。だからだんだん話がずれていくわけですよね。いつの間にか子供の貧困と女性の貧困の研究家で立派なことをしておられたみたいなふいんきになってくる

だから朝日新聞の中が相当イカレてると言うことですよ。そして対抗している読売新聞もイカレてるんですよ。だから両方とも変なことしてるです

ただここ重要なのは前川さんは変な人で間違いないと思う。特に審議官で先がある時にああいう場所に行くって考えられない

外務省ドスケベ官僚だってね、出世の絡みがあるからいかがわしいとこには出入りしないですよ。現役になってそういう所に出入りするのは私知ってるだけではね今の中露大使だけでね。

だからそういった感じからするとほんと脇が甘いですよね。不思議な感じ

加計問題に距離を置く石破茂氏には、倫理観がある

(野村邦丸)  今、発売中の週刊新潮で石破茂さんが出来事を矮小化するんじゃなくて、泥仕合になることだけは避けたほうがいいですねと淡々とかかって語っているインタビューが出てますけど。

(佐藤優)  石破さんと言う人は実は宗教的なバックグラウンドがある人で、同社大学を設立した新島襄の1番弟子だった新島襄の孫だから。本人も私と同じ日本キリスト教団のクリスチャンで、意外と知られてないんだけれども、ある種の事柄に関しては倫理的に非常に潔白なところがあるんですよ

あともう一つ、所属してた組織を砂かけるようなやり方、こういうのは好きじゃないと。だから泥仕合になるっていうのは両方の意味で良くないと思ってるんでしょうね。こういったとこっていうのは政局のバランスよりもその人の価値観が出る話ですから。

(野村邦丸) はー

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