作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏のラジオでの発言を中心にまとめたブログです

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【佐藤優】軍拡競争を招くTHAADに、日本はほどほどに付き合え【くにまるジャパン極】

投稿日:2017年7月9日 更新日:

  1. 2017年7月7日放送の文化放送ラジオ『くにまるジャパン極』にて、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が著書『地政学から読み解く米中露の戦略』より、アメリカの外交戦略を語った

(野村邦丸) 佐藤優の著書『地政学から読み解く米中露の戦略』アメリカ行きましょう。これは20ページです。「アメリカ合衆国の軍事費1割増は経済政策でもある。何でも取引商売人トランプは儲かる戦争をする。」

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アメリカのTHAAD売り込みは経済政策

(佐藤優)アメリカはルーズベルト大統領のニューディール政策は成功したと、よく教科書に書かれているでしょ。今、経済専門家でその事を言う人はいないですからね。ニューディール政策は呼び水にすぎないんで、実際は二次世界大戦に本格的に参加したこと。これがアメリカが強くなった最大の要因にだったと。

最近、THAADてすごく話題になってますね。高高度ミサイル迎撃システムただ考えてみると、レーガンの時に SDI戦略防衛構想ってあったじゃないですか。その後10年ぐらい前もMDミサイル防衛構想って話があったじゃないですか。入れ替わり立ち替わり出てくるんですよね。

経済悪くなってくるとね、軍事ってすごく良いんですよ。消費財じゃなくてじゃなくて生産材でしょ。金がものすごくかかる。消費されないまま時間が更新していくと、全部差し替えになるでしょ。韓国と日本に売りつければ自国の予算を支出しないで、しかもほぼ言い値で売れる。値段なんてあってないものですから。だからこういう良い ビジネスツールなんですよね。

THHAD配備は人類滅亡を招く

ところがね、こういうようなことをするとどうなるかというと、ミサイルは飛んでくると大体弾は1つになってるでしょ。あれ今は違うんですよ。多弾頭弾と言ってパコッと蓋が割れて4つ5つ出てくるんです。

だから落とせないの。

アメリカの多弾頭弾だなんて、今11個で出るはずですよ。弾道計算して落とすと言うのは事実上不可能なんですよ。

だからやれない。

「8割程度しか落とせない」と言ってるんだけれども。売り付けるのは何故かと言うと、それが商売だから。だからあんなものでミサイル防衛できると勘違いしない方がいいですね。

(野村邦丸) たしかにMDシステムね。ロシアが過敏に反応してましたけど、あれも1つのビジネスになってたんだ

(佐藤大) その結果ロシアはSDIの時は付き合ったわけですよ。我々も同じような防衛を作ると。ところが経済的に疲弊してできなくなっちゃったわけでしょ。それで崩壊したと。だからプーチンはもうその手は食わないぞと。こういう感じなんですよね。

そのかわり米露が今まで作っていなかった多弾道弾を作るようになった。

だからこの多弾道弾というのはほんとに怖いんです。そういうことを始めるようになって、新たなの軍拡競争が始まっている。プーチンが激しく反発するんですね。もう多弾道弾の時代が始まってるだろうと。

アメリカがこのTHAADを配備したら、アメリカは技術的に11個の多弾頭弾持っている。じゃぁロシアは20個出るようなものを作ると。そしたらアメリカは25個出るようなものを作るっていって、人類は滅亡近づいていくのじゃないのと。

(野村邦丸) はー。

(佐藤大) 実は、隠れたテーマは多弾道弾なのですよ。

(野村邦丸) 要するに迎え撃つ事は、ある程度迎え撃つことはできても、10のうち8行けばいいだろうとなれば、多弾頭弾がパカッと開いて20個30個と。その競争って一時期の核開発競争と全く同じですね。

(佐藤大) そう。あの時。あれだけ核開発競争やっても多弾頭だけはやめようという事て、米露で合意してたんです。ソ連時代、技術的には可能だけどもお互いに多弾頭を始めたら何が偶発的に起こるかわからない。

今の基本的な核抑止と言うのは、アメリカは砂漠の中・ロシアのツンドラの中にものすごく大きい水爆搭載のミサイルが飛んでくる。アメリカもロシアも飛行機に原爆水爆を載せて常時飛んでいる。もし一撃でワシントン・ニューヨークやられたらそういった基地から飛ばす。それだけじゃ足りないから、潜水艦が1年半位1度も浮上しないで、北極海とかアメリカの沿岸とかに沈んでるわけですよね。それでSLBMを打つという事ですから。

結局は皆殺しをお互いにされるのは嫌だと。いわば、邦丸さんと私とお互いに拳銃を向けて、お互いに引き金に手をかける。そうすれば、かけた瞬間に相手もかけるから撃てないという。こういう抑止力が働いてたんですけれども。これがやっぱり崩れ始めてますよね。

プーチンはトランプより筋が通っている

(野村邦丸) 今まで踏み入れなかったところまで行っている。アメリカが最近言っているデッドラインに行ちゃってるわけでしょ。

(佐藤大) 何がデッドラインなのか、トランプだと全然わかんない。

プーチンが怒ってるのは、別にミサイル防衛システムが怖いわけじゃないんですよところがそういうものを作っていくと言うことで、軍拡競争になることが怖いんですよねだから意外にプーチンの言ってることって筋通ってますよ

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日本はほどほどにアメリカと付き合え

日本の総理大臣なんですよね。その辺わかっていることが重要なんですよね。

「北朝鮮に対する防衛システムをかっちりと作るためにTHAADに入った方が良い」と言っているとアメリカの経済政策にお付き合いさせられちゃう。だから「そこそこやりますよ。アメリカの経済政策で必要なんでしょう、日本に売り付けてくるの。」「言い値じゃ買わないからねもっと安くしてよ。」

こんなことをやって、あまり真面目にやらなければね、ロシアも「真面目にやっていなと。じゃあいいか、日本に多弾頭弾を向けるのはやめよう」と

こういう風になってくるわけですよ

(野村邦丸) どうやら最近PAC3の海上版(イージスアショア)、それを改良したものにして行こうじゃないかと。

(佐藤大) そっちの方がずっといいです。PAC3だったら誰も文句は言わないですから。だって日本に来る北朝鮮のミサイルそれで落とせるんでね

大陸間弾道ミサイルシステム(ICBM)に対する防御装置、高々度のものっていうのはロシアと中国がアメリカに撃つことを想定しているわけですからね。

これ現時点でロシアも中国も(ICBMを発射する)能力があるんですから。特に1番能力高いのロシアですから。そんなもの(THAAD)作ってどういう意味なのと意図を問題にしてるわけですよね

(野村邦丸)  迎え打つには限界がある。じゃ多弾頭弾の開発をどこかで止めなくてはいけないと言う事にまでなってくるかもと思います。

(佐藤優) 日本は、軍縮のところで多弾頭弾を辞めると言う事。これを凄く強く言うと。これなんていうのはすごく重要だと思いますけどね

(野村邦丸) ほんとに世紀末になっちゃうよと。

(佐藤大) あり得ます。

多弾頭弾ってホウセンカみたくね、25発とか30発出てくるやつを中国が作る、ロシア作る、アメリカ作る、それで北朝鮮も真似して4つぐらい出てくるの作ると。どうなりまそうしたら。

間違えて発射をしたりしたらね、本当に地球最後の日になってしまいますよ。1カ所落ちてくれば、抑止力システムが働いてるんだから、皆殺し爆弾が飛んでくるわけだから。お互いに。

〈書き起こしおわり〉

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